木村拓哉「びっくりドンキー」で“うまい”を連発も、仕草はやっぱり正統派アイドル
第111回 「びっくりドンキー」
アイドルだって飯を食う。トップスターだってむろん。1970~90年代前半までは、トップの座を巡ってアイドルが鎬を削る歌謡曲やJ-POP全盛期だった。自分が育った時代だが、一切の思い入れ抜きで端折ると、女性では百恵・聖子・明菜・浜崎(あゆみ)・安室(奈美恵)ら、トップ・オブ・トップのいわゆる歌姫がいた。しかし、今はグループだらけでピンではスターとも呼べず、独立しても大方人気は下降線を辿る。
男性ではいわゆる新御三家からたのきんトリオの時代に移行し、以降はジャニーズ事務所が天下を平定した。チェッカーズや吉川晃司や福山雅治ら例外もいたが、いわばアイドル的人気を誇ったアーティスト。シブがき隊・少年隊・光GENJI・男闘呼組……とジャニタレばかり。
決定打はむろん、91年デビューのSMAPだ。TOKIOが94年、V6が95年、KinKi Kidsが97年、嵐が99年デビューだから、いかに快進撃が続いたかわかるだろう。
しかも、SMAPは2016年に解散しても、メンバー各人はれっきとしたスターでいながら、(司会専業の中居正広以外、役者として)それぞれ仕事の領域を着実に広げている。その点はとても尊敬できる。とりわけ感心するのが木村拓哉だ。皆さん、今年でキムタクは(中居もだが)50歳を迎えるのですよ!
■15年以上、家では白米を食べない
五十路というのに今なお、バリバリのアイドル。かつてそんなタレントがいただろうか。たぶんこのままだと、キムタクは吉永小百合級の不死鳥役者になる。加齢を感じさせないとか、そんなレベルじゃない。かれらは歳を取ってはいけないのだ。
AIが人の能力を超えるといわれる、シンギュラリティが起きる2045年には、きっとキムタクも石田ゆり子もサイボーグ化する。まぁ、すでにキムタクは役の上ではアンドロイドを演じてますが(13年のTBS系ドラマ『安堂ロイド~A.I. knows LOVE?~』において)……。
先に50代に達した筆者も最近では心身の衰えを感じ出し、急に歳を取るのが億劫になってきた。疲労回復に効くサプリなんて当てにならない。だったら、不老不死の妙薬が欲しい。そう思うと、キムタクはいったいどんなコンディショニングをしているのかが気になった。
筋トレなどは当然だろうが、どうやらこの15年以上、家では白米を食べず、酵素玄米を食べ続けているのも若さの秘訣のようだ。昨年9月7日放送の『家事ヤロウ!!!』スペシャル特番(テレビ朝日系)で、キムタクは珍しく自身の食生活を披露。そこで酵素玄米に納豆をかけて食べるのが日課だと語った。
しかもキムタク、納豆の入った茶碗に蜂蜜漬けの梅干しを1個種ごと入れ、ぐるぐるかき混ぜていた。この食べ方は栄養学的にも絶大なるアンチエイジング効果を発揮するそうだ。愛妻・工藤静香の仕込んだ知識か本人の耳学問かはわからないが、これはぼくも真似させてもらおう。大体がとても旨そうだ。
■たまにファストフード
キムタクといえば、「やっちゃえ、日産」。じゃなかった、「木村、混乱してます!(タウンワーク)」。いや、それも違った、「マック、みっっけ。」だ。マクドナルドのCMに起用されてから丸2年以上が経つ。今ではすっかりマックの顔だ。現にハンバーグ好きでもあるという。だが、これだけ日々の食生活に気を配っているなら、たまにファストフードを食べても、いい息抜きになるだろう。そこも見習いたい。
そんなキムタク、18年8月には『ぴったんこカンカン』(TBS系)で五反田のミート矢澤を訪問し、看板料理の黒毛和牛仕様のハンバーグを堪能したが、ロケ弁で同店の弁当は食べていたらしく、だから「念願だった」わけだ。
しかし、普段のキムタクはそこまで肉質などにこだわらず、気軽にハンバーグを楽しんでいる。現に19年5月12日に配信された「GYAO!」の番組『木村さ~~ん!』では、視聴者のリクエストに呼応し、チェーンの「びっくりドンキー」でも食事をした。
■メインは「フォンデュ風チーズバーグディッシュ」
そこでキムタク、アーリーアメリカン調の店内の内装を眺め、「いいっすねー」を連呼。例の木枠のメニュー表を眺めては、注文をポンポン決めていく。
さすが健康志向を剥き出しにし、まずサラダを頼むが、スタッフが辛口の「シーハーハーサラダ」を勧めるのを軽くいなして、王道の「シーザーサラダ」をチョイス。そして、前は和風の「おろしそバーグ」を食べたと言い、他のメニューを頼むよう誘導するスタッフに根負けし、メインは「フォンデュ風チーズバーグディッシュ」にし、ドリンクは「森のリンゴスカッシュ」を注文。
ドンキーのシーザーサラダにはこれみよがしなクルトンが載っていない。代わりにアーモンドが散らされているが、これを褒めちぎるキムタク。そして、メインのバーグを頬張ると一言「うん」と唸る。さらにハンバーグソースをかけ味変を試み、「うまい」を連発する。そんな仕草までかっこいいから癪だ。しかも、ディッシュのライスには手を付けず、昼というのに糖質制限を徹している。
番組の最後、懲りずにシーハーハーサラダを味見させようとするスタッフを遮り、「『SHE! HER! HER!』(Kis-My-Ft2の3作目のシングル曲)はキスマイの特権だと思うんですよね」と一笑に付すキムタク。やはりアイドルの中のアイドル、という貫禄をそんなところにも感じさせるのだ。視聴者もこの場面を思い返し、いつものチェーン店のひと時をいっそう心地よく過ごせるのではないだろうか。
(取材・文=鈴木隆祐)