「通学中に貧血を起こし、路上に座り込んだ私。気を失いかけながら上を向くと、見知らぬ男の人がいて...」(群馬県・60代女性) (2/3ページ)

これまでもひどい貧血のときは立っていることも出来ずにうずくまってしまったり、それでも駄目なときは時も場所も選べず倒れてしまったりしていましたので、「このままでは倒れてしまう」と思いました。
自分が倒れて救急車を呼ばれたり大騒ぎされたりする様子が走馬燈のように頭の中を駆け巡ります。
道路で倒れては駄目だ、と取りあえずその場にしゃがみ込み、壁に寄りかかって静かに目を閉じていたその時です。誰かが何か言っているのが遠くに聞こえてきました。もう倒れる寸前で気を失いかけていたのだと思います。
そ~っと上を向くと、男の人が居ました。
横になれて救われた今となってはうろ覚えですが、「どうしたの? 具合悪いの?」と聞かれ、私は頷くのがやっとでした。
男性はそんな私を手招きしてそっと見守りながら、寄りかかっていた白い壁のビルの通用口へと連れて行きました。
その時に彼から、「少しここで休んで行きなさい」と言われた気がします。
壁にくっついて長椅子が置いてあったので、私はそこに横になりました。それでとても救われて、気がつけばぐっすり眠っていました。

言われるままに横になった時に、「落ち着いたら声をかけずに行きなさい」と言われていたので、若かった私はお礼を伝えることもなく目覚めてすぐに学校に向かいました。
私がいたビルは、学校への近道で使う狭い路地にあり、時代が時代なら「なんて危ないことを! 知らない人について知らないビルに入って寝てしまうなんて!」と思ってしまいますよね。
後から、そこはなんの会社なのかなと気になって見に行ったら有名な銀行でした。