特撮映画「ゴジラ」誕生のもととなったアメリカの水爆実験による「第五福竜丸事件」とは?

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特撮映画「ゴジラ」誕生のもととなったアメリカの水爆実験による「第五福竜丸事件」とは?

1954年11月3日、東宝が制作した映画「ゴジラ」が初めて公開されました。

ゴジラ制作にはアメリカの水爆実験が関わっているのですが、この事件を知らないと言う人も多いのではないでしょうか。

そこで、今回はゴジラ誕生のきっかけとなった水爆実験「第五福竜丸事件」について紹介したいと思います。

第五福竜丸事件(ビキニ事件)

1954年3月1日、ビキニ環礁でアメリカ軍が水爆実験(ブラボー実験)を行いました。

ブラボー実験時

アメリカ合衆国が設定した危険水域外で操業していたはずの第五福竜丸の船体・船員・捕獲した魚類が水爆実験に巻き込まれ、死の灰とも呼ばれる放射性降下物によって被曝したのです。

無線長の久保山愛吉さんは被爆による影響で「急性汎骨髄癆(きゅうせいはんこつずいろう)」(再生不良性貧血)と診断され、事件の半年後に亡くなっています。

久保山愛吉さんの死は「世界初の水爆犠牲者」として世界中から注目され、日本国内でも反核運動のきっかけを作りました。

第五福竜丸

また、第五福竜丸の他にも被爆した漁船は数百隻。被害者が2万人以上も出たとされる事件現場ビキニ環礁は、2010年にユネスコ世界遺産に登録されています。

ゴジラ誕生秘話

東宝は、社会問題にもなった第五福竜丸事件をもとに特撮映画の制作を企画。「海中洞窟に住む太古の巨大怪獣が核実験の影響によって住処を奪われ、地上に現れる」というストーリーです。

1954年(昭和29年)公開「ゴジラ」ポスター

ゴジラ制作の前年には、アメリカ映画「原子怪獣あらわる」が世界的にヒットし、いままで認知されていなかった「怪獣」が広く知られることになります。その影響もあったのか、ゴジラは大ヒット。

ハリウッドでも人気を博し、現在でも続く人気シリーズとなったのです。

大きいゴジラ、小さいゴジラ

ゴジラは「可視化された核の象徴」として世界中で大ヒットしました。

美術家の長沢秀之さんは、1954年の映画ゴジラを「大きいゴジラ」、2011年3月11日に起きた東日本大震災の影響で起きた福島原発事故を「小さいゴジラ」とする展示を2014年に開催。

水爆による被害の大きさを容易に想像できる作品展となっていました。

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