合戦のリアル 小田原城が籠城戦に強かった理由とは (2/2ページ)
長期化すればするほど、攻める側にも兵站の問題が出てくる。兵量などさまざまな諸経費を考えれば、1万人の軍勢をひと月動かすだけで、現在の価格で1億円以上かかったと言われている。籠城戦が長引けば長引くほど、攻める側にとっては金銭的にも痛手なのだ。実際、戦上手で知られた二大戦国勝軍、上杉謙信と武田信玄もこの小田原城攻めに挑んだが、補給が尽きて攻めあぐねて撤退している。
戦いとは数であり、軍事は経済というのは合戦の大原則。ただ、戦場にいた大部分の兵は殺し合いをしたくない、戦う気のない人たちだったということも考えなければ、合戦のリアルも見えてこない。戦争に人を駆り立てる士気というものが重要になるとも言える。そこには常に生身の人間の存在があるということ。合戦を理解するためには、根本的には「人間とは何か」という問いを考えるところに軍事史はあると、著者の本郷氏は述べる。本書から合戦のリアルを学んでみてはどうだろう。
(N・T/新刊JP編集部)