労働は義務ではない 「世界一幸せな国」に住む人々の生き方 (2/2ページ)

新刊JP

フィンランド銀行、財務省などの組織のトップのポジションを歴任したアンネ・ブルニラ氏は2013年に56歳で国営電力会社フォータムからリタイアすると、その後は文化財団や大学、国立歌劇場といった文化・教育組織で委員などを務め、さらに若い頃から興味を持っていたチベット仏教に傾倒するなど、人生を大きく転換させた。

また、40歳で博士号を所得。フィンランド銀行頭取時代には、財政政策に関する論文で博士号を取ったのだが、その論文を書くために約1年銀行の研究部門に所属し、頭取の仕事は他の人が代行したという。

こうした働き方、生き方をのぞくと、人生の多様性が見える。岩竹さんは「人と同じように生きなければならないのではなく、自分の人生を生きていける社会」であると述べる。自分の仕事、自分の地位に執着をすることなく、思い切ったかじ取りができるのがフィンランドの社会なのだろう。

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本書では、デジタル化政策や教育、出産・育児、医療・介護といったトピックを、フィンランドの歴史や文化を背景にしながら解説していく。

岩竹さんは「おわりに」の中で「現在のフィンランドは、人々のウェルビーイングを第一に考えた国の形であり、ケアする国家とも呼べるだろう」とまとめている。ウェルビーイングは「幸福」や「健康」などと訳されることが多いが、実はとても幅広い概念である。そして、本書を読み進めていくと、「ウェルビーイング」の本質が見えてくる。

「ウェルビーイング」で何歩も前を行くフィンランドを通して、日本の課題が見えてくる一冊だ。

(新刊JP編集部)

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