嘘も方便?朝鮮出兵の陣中、戦国大名・鍋島直茂に叱られた小山平五左衛門の答えがコチラ (2/3ページ)
背後からの攻撃を和らげると共に、特別な立場を示す意味もあった(イメージ)
「陣中で74279を外すとは、戦場での心得がなっておらん。こっぴどくりつけてやるから、最初に母衣を外した者を連れて参れ!」
直茂は伝令に命じて母衣武者たちに確認させます。さぁ困りました。誰だって叱られるのは嫌なものです。
「困ったな、どうしたものか……」
「最初に外したのはそなたであろう、早く行って参れ」
「何を申すか、そなたであろう」
さぁ始まりました責任のなすりつけ合い。日ごろの友情もどこへやら、そなたそなたの大合唱……すると平五左衛門が言いました。
「そうだ思い出した。ここにいる20名が目と目を見合わせ、『せーの』で一度に母衣を外したのであった。御屋形様にそうお伝えせよ」
「……承知した」
代表で一人が叱られるのはバツが悪い。最初だろうが後だろうが、母衣を外してくつろいだのは皆同じ。ならばみんなで叱られようじゃないか。
果たして、伝令から報告を受けた直茂は苦笑い。
「まったくしょうもないヤツだ。それを申したのは平五じゃな」
「左様にございまする」
「申し伝えよ。『此度は平五の嘘に免じて赦してやる。今後は気を引き締めてかかれ』とな」
「ははあ」
あえて騙されてやった直茂。母衣武者たちは平五左衛門の機転に感謝したことでしょう。