人間の耳は魚のエラから進化したもの。その証拠となる化石が発見される (2/4ページ)
エラに由来することを示す初の証拠
耳の謎を解く手がかりは、浙江省長興県と雲南省曲靖で発見された4億3800万年前の絶滅した頭甲綱 「スユ(ガレアスピス目)」と4億1900万年前の「ガレアスピス」の化石だ。
これらの「鰓室(さいしつ:エラの付属器官で、外部から入った粒子を除去してエラを正常に保つ)」には、「鰓糸(さいし)」が完全に保存されていた。
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アゴのない魚、スユの頭蓋の化石 /Credit: IVPP/Credit: IVPP
中国科学院古脊椎動物古人類学研究所のガイ・ジクン教授は、「解剖学的にも化石的にも、脊椎動物の呼吸孔が魚のエラに由来することを示す初めての証拠」と説明する。
シンクロトロンX線放射断層撮影顕微鏡で、指の爪ほどのスユの頭蓋骨の3Dモデルを作成し、5つの脳区分・感覚器・脳神経・血管の通り道など、内部構造を細部まで再現することにも成功したという。
こうした分析によって、歯・アゴ・中耳など、人間にある多くの重要な構造をスユにまで遡ることができた。
中国科学アカデミーのジュ・ミン氏は、「古生物学者の仕事は、魚から人間へいたる進化のミッシングリンクを見つけること。スユは、始祖鳥、イクチオステガ、ティクターリクと並び、重要なミッシングリンクとみなされてきた」と語る。