人間の耳は魚のエラから進化したもの。その証拠となる化石が発見される (3/4ページ)
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スユの頭蓋の構造を示す3Dモデル/Credit: IVPP・エラから耳への進化の物語
魚の呼吸孔は、目の後ろに開いている小さな穴で、種によっては口に向かって開いているものもある。
一部のサメやエイは、この穴から水を取り込み、エラから排出する。また堆積物に埋もれて生きる種などでは、呼吸孔が上に向かって開いていることも多い。
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4億1900万年前のガレアスピスの化石。鰓糸をはっきりと確認できる/Credit: IVPP
もっとも原始的とされる現生の硬骨魚「ポリプテルス」では、呼吸孔は呼吸のために使われる。しかし魚以外の動物のほとんどでは、呼吸孔による呼吸から、やがて鼻や口からの呼吸に進化した。
では呼吸孔はどうなったかというと、耳へと進化した。
初期の四肢動物では、まず呼吸孔が耳切痕(Otic notch)に発達。この時はまだ呼吸のためのもので、音を感じることはできなかった。
だがさらに最近の四肢動物になると、耳骨を介して音を脳に伝えるための器官、すなわち耳へと進化した。もちろん私たちもお世話になっている器官だ。
スウェーデン、ウプサラ大学のペル・E・アールベリ教授は、「今回の発見は、呼吸孔開口部の全歴史をつなぐもの。無顎類の化石の鰓嚢からはじまり、最初期の有顎脊椎動物の呼吸孔を経て、四肢動物の中耳になるまで、驚くべき進化の物語を伝えてくれる」と語っている。