江戸時代の貴重な忍術書に書かれていた変装術「七方出」や「忍者六道具」とはどんなもの? (3/4ページ)
陰忍は皆さんが思い浮かべる映画やドラマで描かれるような、闇夜に忍んで敵方の秘密を探ったり謀(はかりごと)を暴く活動のことです。
・闇夜に忍び込むため、月が出る前か入った後に忍び込むべき
・夜間活動するため、眠くならないよう昼寝をしておく
・逃走経路を確保しておく
など基本的なことや、巻十四には「察知サシ十六箇条」というのがあり、このサシは錠前のことで、様々な錠前の解説がされています。
ここでは正心の心を説いています。正心とは、「目的のために正しく道理を踏まえること」という意味で、「忍者は盗人と違う」ことを強調しています。
変装するなら…七変化ならぬ「七方出」『正忍記』には、変装に適した7つの職業を紹介しています。
①出家(僧侶)…仏門に入った者として寺院建立のため諸国を回る「勧進僧」や、「托鉢僧」に扮しました。
②虚無僧…禅宗の有髪僧のことで、尺八・深編笠の出で立ちで帯刀を許されていました。これに化ければ顔も隠せて一石二鳥ですね。逆に幕府は虚無僧そのものを隠密として用いて、諸国往来自由の特権を与えていたとか。
③山伏…言わずもがな、修験道の行者です。山野に分け入っても怪しまれませんね。
④商人…行商人に化け、商品を売りながら諸国をめぐりました。
⑤放下師…曲芸師のこと。猿回しや手品を見せながら諸国を巡業。「放下」とは仏教用語で全ての執着を捨て去ることで、芸をしながら仏法を説いた「放下僧」が由来となっています。
⑥猿楽師…能役者のこと。勧進能といって社寺の修繕などの寄付を募る為、諸国を巡業しました。
⑦常の形…特殊な職業ではなく、農民や職人、武士に成りすますこと。