仏の慈悲は、道理に迷える者へこそ…江戸時代の禅僧・盤珪永琢かく語りき (2/3ページ)
だからどうしても究明したいのです」
疑問をもったらとことん追究せねば気が済まない盤珪少年(イメージ)
あんまりしつこく訊いて回ったのか、うんざりした儒学者の一人が
「そのようなむつかしきことは、よく禅僧が知っておるじゃほどに、禅僧へ行きてお問やれ」
明らかな徳を明らかにする……もはや禅問答の域に達しつつあった疑問を解決するべく、盤珪少年は随鴎寺(現:兵庫県赤穂市)に参禅。出家して雲甫全祥(うんぽ ぜんしょう)に弟子入りし、厳しい修行に臨んだのでした。
盗みがやめられない弟子と、盗みを許せない弟子たちへさて、死にかけるほどの苦難を乗り越えて大悟した(悟りを開いた)盤珪和尚は、多くの寺院を興して弟子たちを導いたと言います。
そんなある日のこと。盤珪和尚が弟子たちを集めて説法していると、境内の片隅でにわかに騒ぎが起こりました。
「何事か」
「和尚様、聞いて下さい。盗人を捕らえたのです」
弟子たちがとりおさえた盗人とは、弟子の中でも手癖の悪い一人。