なぜ売れた?任天堂が昭和58年に発売「ファミリーコンピュータ」が”伝説のゲーム機”となった理由 (2/3ページ)
その段階で既に次の一手を考えていたのはさすがですが、無茶にも見えるそんな方針で、本当にさらなるヒット商品を生み出してしまうのが任天堂の恐ろしさと言えるでしょう。
品薄状態で際立った魅力ところで、ファミコンの出荷数は約6,000万台に上りますが、後に発売された「ニンテンドーDS」の出荷数は1億台を超えています。
一見するとDSの方が人気があるように見えますが、しかしこれは安易に比較できるものではありません。ニンテンドーDSが発売された頃とファミコンが発売された頃とでは、ゲーム機の認知度や普及率が圧倒的に違います。
何しろ、ファミコンが発売された当時は、マスコミによる批判が今とは比べものにならないほど強烈でした。そんな時代に6,000万台を売り上げ、それでも品薄状態が1年以上続いていたこともあったほど、ファミコンはヒットしたのです。
ではなぜ、ファミコンはそれほど売れたのでしょうか。
先述した通り、ファミコンは1年以上品薄状態が続いていたことがありました。その理由は、故障が多かったからです。
初期のファミコンは、コントローラーのボタンが戻らなくなる、コントローラーと本体を繋いでいるケーブルが切れるなどトラブル続きでした。耐久性テストをしていても見つからなかった問題が次々に発生し、発売初期はクレームばかりだったといいます。
しかし、逆にそれがファミコンのヒットに繋がったとも考えられます。
長期にわたる品薄状態が続いたことで、今ではおなじみの『友達の家に集まってゲームをする』光景が各家庭で生まれました。品薄で買えないから、持っている友だちの家で遊ぶというわけです。