『アルキメデスの大戦』戦艦製図監修者、播田安弘の「好きを貫く」人間力インタビュー (2/3ページ)
■船の設計という本業以外で、関わることができたこと
会社を退職した後も、船の3Dイラストレーションの製作など、船の仕事をしてきましたが、ここまで続けてきたからこそ、船の設計という本業以外で、関わることができたことが2つあります。その1つが、2019年7月公開の映画『アルキメデスの大戦』で製図監修を担当したこと。戦艦大和や戦艦長門、空母などの手描き図面を任されたうえ、主演の俳優・菅田将暉さんが図面を描くシーンでは演技指導もしました。
今や図面はコンピュータを使うCADが主流になり、大型の艦船図面を手で描ける人が少なくなったので、私に声がかかったようです。ただ、戦艦大和は私が生まれた日の21日後に完成した、いわば同期生(笑)。昔から思い入れが強かっただけに、うれしかったですね。
もう一つは、2020年9月に初めての著書『日本史サイエンス』を出版したこと。船の技術者ならではの視点から、日本史を科学的に数字を交えて分析した1冊で、蒙古襲来、豊臣秀吉の中国大返し、戦艦大和の謎に迫っています。以前から蒙古襲来に関心があって、あくまでも趣味で、蒙古軍船をCGで設計・復元したり文献を集めて研究していたところ、縁あって講談社のブルーバックスから出版する運びになったんです。
そういう意味では、これもまた、自分が好きでやっていたことがつながったと言えますね。おかげさまで、池上彰さんの推薦する5冊、岩波文庫の永沼編集長の嫉妬した3冊に選ばれるなど、多くの人たちから好評を得てベストセラーになり、今年5月に『日本史サイエンス』を上梓することができました。今回は邪馬台国、秀吉の朝鮮出兵、日本海海戦をテーマにしています。