かわいすぎて食べられないは本当だった。人は顔が描かれていると感情移入してしまうことが科学的に立証される
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スーパーをちょっと探せば、人の顔や動物の形をした食べ物やお菓子がすぐに見つかるだろう。
あまりのかわいらしさに思わず買ってしまうが、いざ食べようとすると食べたいと思えなくなってしまう。「かわいすぎて食べられない」は本当だったのだ。
『Journal of Consumer Psychology』 (2022年7月2日付)に掲載された研究によると、擬似化したかわいらしい食品はよく売れるが、購入者は感情移入してしまい、食べづらくなってしまうという。
ただし、冷淡で共感力に欠ける人の場合は例外なんだそうだ。
・かわいく疑似化された食品は食べたいという気持ちが弱まる
食品をかわいらしい人や動物のような造形にして擬人化(疑似化)するのは、昔からよく使われてきた販売手法である。
オーストリア・インスブルック大学の研究グループは、そうした人をモデルにした食品に対する消費者の反応を、5本の先行研究をもとに調査した。
先行研究のうち3本は、擬人化されたリンゴか普通のリンゴのどちらかを使用した広告に関するもので、これらの研究では、顔つきリンゴの広告を目にした消費者は、リンゴを食べたいという気持ちが弱まることが報告されている。
ただし、自分のことを「冷淡」と自認する消費者はこの限りではなかったという。
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もう1本の研究では、普通のM&Mチョコレートと、人の顔が描かれたものを用意し、それを参加者に振る舞うという実験が行われた。
その結果、顔つきのものより普通のチョコレートの方がよく食べられることがわかった。
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(左)普通のM&Mチョコレート、(右)顔を描いたM&Mチョコレート / image credit:Roland Schroll University of Innsbruck, Austria・ただし擬人化された食品は購買意欲が強まる
最後の5本目の研究では、参加者にクリスマスパーティのための買い物に来ていると想像してもらい、その上で人型ビスケットとクリスマスツリー型ビスケットのどちらかを買うか選んでもらった。
その結果、よく売れたのは人型ビスケットだった。
ところが面白いことに、ビスケットを振る舞って食べてもらおうとすると、人型よりもツリー型ビスケットの方が人気だったのだ。
少なくとも人型ビスケットは消費者の購買意欲をそそるようだ。ところがいざ食べる段になると、食べたいという気持ちにはしないものらしい。
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・食べさせたいのか?買わせたいのか?企業は目的を明確にすべき
この結果は、マーケティングやPRとして、かわいらしい擬似化された食品を売ろうと考える企業や団体は、その目的が販売促進なのか、消費促進なのか、そのどちらのなのか明確にすべきことを示している。
もしもたくさん食べてもらいたいのなら、かわいらしい食べ物には注意が必要であるようだ。
あまり味に自信がないのなら、かわいさを売りにするべきだし、味がおいしいなら、かわいさは抑えめが正解ってことかな?
References:When food has a face, people prefer not to eat it / written by hiroching / edited by / parumo
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