「はじめる動機は不純でいい」成功経営者のビジネス哲学 (2/3ページ)
最初に手がけた事業はどんなものだったのでしょうか?
竹菱:これは本には書いていない話ですが、大学を中退して時間を持て余していた時期に、私はたまたま大阪で進学校に行っていたこともあって、近所のおばちゃんから「うちの子の面倒をお願いできないか」と言って小学生の勉強を見てもらえないかと頼まれたんです。それで学習塾を始めたのが最初です。これが結構評判が良くて、生徒が増えたのですごく儲かった。
――ひとりでやっていたんですか?
竹菱:最初はそうです。家の2階の自室で生徒は5、6人くらい。そのうちに近所のガレージを借りて教室にしてから生徒が増えました。
でも、言い方は悪いのですが自分で教えるのが段々と面倒になってきて、妹とその友達を雇って、自分は現場から離れたんです。保護者のフォローだけするようにした。それから教室を増やして、多いときは5カ所くらいで教室をやっていました。
でも、そうするとまたやることがないんですよ。そこで「世界を見てみよう」という気持ちが出てきて、フィリピン、台湾、香港などを何のあてもなく見て歩いているうちに、世界を相手にビジネスをしたら面白そうだなと思えてきて、貿易の会社を立ち上げたんです。
――新しいビジネスのタネを探しに海外に出たわけではなく、まず海外に行ってみた。
竹菱:そうです。行ってみたら「貿易をやるのは面白いかも」って。それだけです。計画性も何もない不純なビジネスの始め方でしたが、ビジネスの始め方なんて不純な動機がはじまりでも、明確な動機がなくてもいいんですよ。それでもやっていくうちにそのビジネスの動機づけができてきて、一つのビジネススタイルが出来上がる。それでいいんだと思います。
――本書でも書かれているように、「人たらし」であることは経営者にとって大きな強みですが、これはその人の資質も大きいように思います。「人たらし」には訓練次第で誰にでもなれるものなのでしょうか。
竹菱:私はなれると思っています。その気になれば性格は変わりますからね。