テクノロジーの発展で「往年のトリック」が生まれ変わる 結城真一郎インタビュー(2) (2/3ページ)

新刊JP

――今のお話に関連して、結城さんが気になっているトピックはありますか?

結城:今、ちょうど「小説すばる」でウーバーイーツの配達員のような、ギグワーカー的な働き方をしている人たちを題材にした小説を連載しています。あとは題材としては若干古びていますが相席居酒屋も小説に使えそうです。それに、メタバースをネタにしても面白いものが書けそうな気がしています。

――ミステリ作家の方が実際に犯罪を計画したら完全犯罪ができるんじゃないかと思うのですが、小説の中で犯罪を書く時は「実行可能」なこととして書くんですか?

結城:「三角奸計」のトリックなどは、百発百中とはいかないまでもかなりの精度でできるんじゃないかとは思います(笑)。でも、いわゆる「密室トリック」のようなものを実際にやれるかといったら難しいんじゃないでしょうか。

ミステリ作家がどんなに綿密な犯罪を計画したとしても、警察の捜査も進歩していますからね。しかも最先端の捜査技術の情報はこちらに開示されていませんから、多分変なところからバレて捕まるんじゃないでしょうか。

――小説家になろうと思った時、ジャンルはミステリと決めていたんですか?

結城:そうですね。本気でデビューを目指そうと思ったのは大学四年生の時で、やるならミステリで勝負かなと。当時同学年で同じ学部にいた辻堂ゆめさんが『このミステリーがすごい!』大賞で優秀賞をとって在学中にデビューしたのが大きかったです。

それまでもミステリをよく読んでいたので、辻堂さんのことがなくてもミステリを書いていたとは思うのですが、辻堂さんがミステリでデビューしたことで、自分もミステリを意識したところがあります。

――「こんな同級生がいたのか」という感想だったんですか?

結城:「そんな同級生いるわけない」と思っていたんです。でも、自分はいずれ小説家にはなれるだろうと根拠なく漠然と思っているだけで何も行動していなかった一方で、向こうは実際に小説を書いて、デビューを決めた。

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