肉体を持たない分離された脳細胞にも知性のようなものが備わっている。ミニゲームをプレイすることに成功 (2/4ページ)
すると、神経細胞は自発的に活動を調整して、見事ボールを返せるようになったという。
皿の上に置かれた脳という意味で、この電極につないだ脳細胞は「DishBrain」と名付けられた。いわゆるバイオ・コンピューターチップである。
研究論文によると、「培養された神経細胞は、自分の行動結果に関するまばらな感覚情報に反応し、目的達成に向けて活動を自己組織化する」のだそうだ。
驚いたことに、こうした学習反応は、わずか5分間のゲームプレイで起きたという。
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Title: Brains in a dish play Pong・神経細胞は不確実性を抑える方法を学習
サルのような一部の知能の高い動物もポンをプレイすることに成功している。こうした動物にゲームの遊び方を教える場合、エサで釣るのが常套手段だ。
だが肉体のない神経細胞でそのようなことはできないため、より抽象的な”エサ"でボールを打ち返すよう仕向けねばならない。
そのエサとは、「自由エネルギーの原理」だ。神経細胞には、環境の予測不能性(「エントロピー」とも言える)を嫌う性質がある。
「ポン」で言えば、ボールを落としてしまうとゲームがリセットされ、ボールは予測できない方向に移動してしまう。
逆に、パドルに当てればボールが飛んでいく方向を予測しやすく、ゲーム全体のエントロピーを下げることになる。
だから電極から予測できない刺激を受けた神経細胞は、状況をもっと予測しやすいものにするために活動を再編成する。
つまり神経細胞は、ゲームの遊び方というより、実際には不確実性を抑える方法を学習しているだけなのだ。