コーヒーの保存法は何が正解?科学者が保存テクニックを解説
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食品の保存方法については様々な意見がある。リンゴは冷蔵庫に入れる?トマトは?バターはどこに置いておく?聞いた人によって答えが違うし、まったく正反対の答えが返ってくることもある。
文化や土地柄によって異なる場合もあるが、科学的な誤解が生じていることもある。
ではコーヒーはどうなのか?アメリカでは冷凍庫で保存している人もおおいそうだが、どう保存したらおいしい状態がキープされるのか?アメリカの科学者の保存テクニックを聞いてみよう。
・コーヒー豆の保存方法は常温?冷凍庫?
ペンシルバニア大学の博士研究員、ブリアンヌ・リンネ氏は、コーヒーの口当たりについての化学的性質を調査している。研究室ではコーヒー豆は冷凍庫に入れているそうだ。
ということは、コーヒー豆はアイスクリームの隣に入れておくべきということなのだろうか?
コーヒーを冷凍庫で保存するのは、日持ちというより香りを保つためだ。
2017年、毎年開催されるコーヒー学会で、化学者のクリストファー・ヘンドン氏が、コーヒーを冷凍保存する分子的な理由をあげている。
コーヒーのあの独特な香りは、揮発性物質、つまり独特なアロマを生み出す化学物質が原因だ。
反応速度と活性化エネルギーの関係式である「アレニウスの式」によると、温度が10℃上がるごとに、反応率は倍になり、同様に温度が10℃下がるごとに、反応率は半減する。
そのため、コーヒーを冷やすと香りをより保つことができるというわけだ。
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・正しい冷凍庫保存ができないなら常温の方がマシ
とはいえ、コーヒーを冷凍庫で保存するには、正しいやり方をしないと意味がない。
一番いいのは、コーヒー豆をタッパーウェアのような密閉容器に入れて、なるべく湿気が入らないようにすることだという。
できれば小分けにしておいて、使う前に完全に解凍しているかどうかを、その都度確認することを勧めている。
しかし、ほとんどの人はコーヒーを淹れるときに、いちいちそんなことをする余裕はないし、気にしないだろう。
しかしそこまでしないと、逆に余分な湿気が入り込んで、コーヒーが劣化するスピードが早まってしまうそうだ。
コーヒーをただ袋に入れて、口を輪ゴムで留めているだけなら、カウンターやキャビネットに置いておくほうがいいでしょう。といっても、湿気は問題になりますがということで、正しい冷凍保存の仕方ができないなら、常温で置いた方がマシだそうだ。
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・挽いてあるコーヒーの場合は常温保管が好ましい
すでに挽いてあるコーヒーは、かなり乾燥している。乾燥しているものは、湿気を好むので、挽いたコーヒーを冷凍庫で不適切に保存すると、劣化が早くなる。
つまり挽いたコーヒーは、きちんとケアしないのなら、常温で保管するほうがいい。
リンネ氏は、購入するときは挽いたコーヒーよりも、豆のままのコーヒーのほうがいいという。
コーヒー豆は、ハチの巣のように多孔質になっていて、焙煎の過程で、えも言えぬ香りの元となる揮発性成分がこの孔に吹き込まれる。だから豆を挽くと、その香りがあたりに漂うのだ。
新鮮な豆を挽くと、中に揮発性化合物が閉じ込められている表面がよりたくさんあるため、挽きたてのコーヒーには、最大限の風味がかもしだされる。
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・コーヒーは劣化するのか?
食の安全という観点から言えば、答えはノーだそうだ。しかし、風味や香りを楽しむ嗜好品という点では、劣化することがある。
焙煎の課程で作られた風味成分は時間がたつにつれ、酸素にさらされて酸化し、劣化してしまう。酸化反応が、香りのいい油脂系成分を劣化させ、コーヒーとは違う香りにしてしまうのだ。
コーヒーを屋外に放置すると、揮発性化合物が蒸発してしまうことがある。こうした変化は、風味の特徴を変えてしまうわけではないが、風味自体は完全に失われてしまう。
ただし、冷凍庫で保存しても、常温で保存しても、不純物が混じったり湿気でビチョビチョになっていない限り、コーヒーで食中毒になることはないそうだ。
References:Should you store coffee in the freezer? A chemist explains the storage hack / written by konohazuku / edited by / parumo
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