日本一早い!プロ野球2023セパ12球団「監督力」マル裏査定!巨人・原監督の“頼みの綱”は?阪神・岡田監督で“優勝本命”に!日本ハム・新庄監督の正念場

日刊大衆

写真はイメージです
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 早くも熱を帯び始めたプロ野球ストーブリーグ。チームを率いる監督・コーチの顔ぶれもほぼ決まり、12球団の描く来季の“青写真”も見えてきた。

「このオフはセ・パ4球団で監督が交代。注目は、やはり2008年の“メークレジェンド”以来の直接対決となる原巨人VS岡田阪神。ともに40代と若返る松井稼頭央、新井貴浩の西武と広島も、ファンの期待は大きいでしょう。パでは新球場への移転で、来季も新庄ハムが話題の中心になりそうな気はしますね」(スポーツ紙元デスク)

 今回は、出そろった指揮官12人の、真の“監督力”を徹底リサーチしたい。

■桑田真澄だけが事実上の“降格”

 まずは、「続投」に驚きの声が上がる巨人から。

 発表された来季コーチ陣の顔ぶれを見ると、桑田真澄投手チーフコーチだけが、「ファーム総監督」として事実上の“降格”。一人で成績不振の“詰め腹”を切らされたような格好だ。

「原さんの続投は実は9月上旬の時点で決定済み。その“改革”の第一歩として中日から引き抜いたのが、リーグ屈指の投手陣を作り上げた阿波野秀幸コーチでした。ただ、自分が抜擢した手前、桑田さんを1年で切るわけにいかない。その落としどころがファーム総監督だったわけです」(スポーツ紙巨人担当記者)

 だが、当の原監督が、いくら改革に積極的でも、球界は目下、深刻な人材難。もの言えぬ“原一強”体制の下では、なおさらメリットは感じにくい。

「近年は年俸も高騰していて、多くの選手は引退後の生活にも余裕がある。自ら進んで火中の栗を拾うようなマネは、誰もしたがらないのが実情です。しかも、巨人の注目度は他球団とは“段違い”。でなければ、一度ミソのついたデーブ大久保や鈴木尚広の入閣はなかったでしょう」(前同)

 むろん、デーブ氏自身は楽天で監督も務めた実力者だ。打撃コーチとしての手腕にも定評はあるが、過去に暴力指導事件を起こしたことも。初のBクラス転落で正念場の原監督が命運を託すには、メンツが弱い気がしなくもないのだが……。

「デーブさんは、目上の人の懐に入るのがとにかくうまく、原監督とも親しかった。引退後も、巨人キャンプには欠かさず地元の水戸納豆を差し入れ。楽天で“オヤジ”と慕った星野仙一監督の後継になったのも、三木谷浩史オーナーの“ゴリ押し”があったからといわれる。権力者は元来、孤独ですから、原さんからすれば“愛い奴め”という気持ちから入閣させたのでは」(球界関係者)

■ジャイアンツの現状

 そんな巨人の現状について、自身も監督経験者で、第2次原政権ではヘッドコーチを務めた伊原春樹氏が、こう指摘する。

「今の原監督は、GMも兼ねるような強い立場。自分は残ってコーチ陣を入れ替えるというのも、彼のやり方だから、それはいい。ただ、本当にチームを活性化したいなら、老兵は去るべきでしょう。はたから見ても潔しとはならんよね」

■「守りの野球」の実現に向けて

 その点からすると、原監督の1学年上で、ほぼ同世代の阪神・岡田彰布新監督も3度目の監督就任だ。

 今回の再登板は、監督にしか味わえない快感とも無関係ではないようで……。

「“右向け右”で、全員が自分の言うことを聞く状況ってのは、ある種の中毒性があるからね。“また、やりたい”って気持ちが湧いてくるのは私にも分かる。心身ともにまだ動ける60代なら、なおさら。でも、やっぱり引き際は肝心。その意味では、真意はどうあれ、矢野(燿大)のほうが、立派だと思うよね」(前同)

 その岡田阪神は、ドラフト直前に断行したトレードで、レギュラー経験もある渡邉諒(27)&高濱祐仁(26)の両内野手を、日本ハムから獲得。かねてより掲げている

「守りの野球」の実現に向け、失策数ワーストの内野陣強化に先手を打ってきた。

 矢野阪神でプレーした野口寿浩氏が言う。

「端的に言えば、矢野阪神が“一生懸命なら失敗してもOK”だとすれば、“失敗しないような準備を徹底する”のが、岡田さんの目指す野球。チームカラーはガラリと変わるはずですよ。打てる反面、守備での凡ミスも目立つ中野(拓夢=26)あたりは、かつての藤本敦士の姿ともかなりダブる。当時の鳥谷(敬)のようないい遊撃手が入れば、コンバートもあるかな、と」

 もっとも、投手力の充実は現時点でも球界随一。

 仮に新監督との確執が噂される西勇輝(31)がFAで抜けても、西純矢(21)や才木浩人(23)、湯浅京己(23)ら、若手が豊富にいる。

■投手陣に厚みがあるからこそ

「投手陣に厚みがあるからこそ、改善ポイントのテコ入れが重点的にできるのが阪神の強みでしょう。貴重な左の岩崎優(31)や、岩貞祐太(31)に抜けられるのは実際、困るでしょうが、仮に岩貞が“先発したい”なら、まずは、その通りにさせるのが岡田さんですからね」(前同)

 加えて、主力では「あちこち守らせるから、打撃に影響するんや」(岡田監督)と、大山悠輔( 27 )や佐藤輝明(23)らのポジション固定も、すでに明言。もくろみ通りに彼らが“覚醒”すれば、来季は間違いなく“優勝大本命”へと躍り出る。

「ファースト、サードを固定する以上、補強は外野か二遊間。かつてのシーツのような、守備のいい外国人の獲得も十分に考えられますよね」(同)

■赤ヘル再建は現場未経験監督

 一方、広島では、その阪神を経て古巣に戻った新井貴浩が、まったくの現場未経験から監督に大抜擢。

 絶大な地元人気と人望の厚さを後ろ盾に、低迷する“赤ヘル”の再建に挑む。

「近年続いた“内部昇格”の流れからすると、新井の抜擢はイレギュラー。そこには、松田元オーナーの覚えもめでたい東出輝裕の、現場での“評価急落”も影響したと聞いています。順番からすれば、引退後も広島一筋の彼が“正当”な後継候補のはず」(前出の球界関係者)

 その点、新井の人格者ぶりは球界随一。有力OBの黒田博樹氏さえもが、「新井が監督ならコーチをやってもいい」と公言する。

「彼の持つ愚直さ、人柄のよさは、現役時代なら後輩たちにもお手本となった。ただ、監督となれば、距離感も重要。ときに非情さも必要な監督が、彼に務まるのか、という懸念もある。待望論もあった現・オリックスの水本勝己ヘッドではなく、阪神時代からの“お友達”藤井彰人をヘッドコーチに引き入れた点も、評価の分かれるところです」(地元紙広島担当記者)

 いずれにせよ、来季のセ・リーグは、危なげなくペナント2連覇を果たした高津ヤクルトを軸に、岡田阪神、復活を期す原巨人が、これを追う展開になりそうだ。

■パ・リーグでも大きな動き!

 パ・リーグでも大きな動きがあった。西武では、広島の新井監督と同じ40代の松井稼頭央が順当に“昇格”。

 絆の強いPL学園の後輩で、楽天でともにプレーした平石洋介をヘッドコーチに迎え、弱体化した“山賊打線”の再生を図る。松井監督にとっては“恩師”でもある前出の伊原氏が言う。

「わざわざ私にまで“監督になります”と電話をくれたから、“全員の前でする所信表明からは絶対にブレるな”とだけ言ったんだけど、こと野球に関しては、彼は誰より真摯で実直。何より“強い西武”を知っている、というのは大きな強みになるはずだよ。もっとも森(友哉= 27 )がFAで抜ければ、打線は苦しい。カブレラぐらいの外国人が入ってくるなら別だけどね(笑)」

 半ば移籍が“既定路線”の森は致し方ないとしても、チームには同じくFA権をもつ外崎修汰(29)もいる。さらに、来オフには山川穂高(30)&源田壮亮(29)もFA権を獲得する見込みと、主力の“流出危機”は、なおも続く。

「ここ数年の課題だった投手陣は、水上由伸(24)や本田圭佑(29)ら若手の台頭でメドは立った。ゆえに新監督最大のミッションは、“FA流出”という悪しき伝統に、歯止めを掛けられるかですよ」(球界関係者)

■2年目は「勝負に徹する」宣言

 最後は、話題性では、ぶっちぎりの優勝だった“ビッグボス”の日本ハム。

 来季は、天然芝のドーム球場『エスコンフィールド北海道』も、ついに開場。観客の度肝を抜く“新庄劇場”で、さらなる注目度アップが期待される。

「とはいえ、新球場と新庄で来季も安泰……なんて思っているのは、おそらく球団の上層部だけ。監督人気がどんなに高くても、勝たなけきゃ人は集まらない。そのことは、低調だった札幌ドームの今季観客動員を見れば、明らかです。投打に若手が出てきたと言っても、まだまだ戦力不足。万が一、近藤健介(29)がFAで抜ければ、最下位脱出さえ、ままならないでしょう」(前出の野口氏)

 このドラフトでも“二刀流”で話題の日体大・矢澤宏太(22)の1位指名を早々に公表するなど、得意の話題作りには余念がない。

 だが、1年目からバリバリ結果が出せるのは、たとえ即戦力の呼び声があっても、ほんの一握り。大谷級の活躍をいきなり新人に求めるのは、さすがに酷というものだ。

「他に、アメリカ育ちで目下、メッツ3Aの加藤豪将(28)を3位でサプライズ指名したあたりは、いかにも日ハムらしいですが、彼らはあくまで“素材”。起爆剤があるとすれば、やっぱりチームの勝利以外にはない。チアの“きつねダンス”が、あれだけ全国的にはやっても、観客動員は12球団中11位だったわけですから」(球界関係者)

 2年目は「勝負に徹する」と表明しているビッグボス改め新庄剛志監督は、その真価を発揮して、“台風の目”となれるのか。

 2023年ペナントレースに向けた戦いは、早くも始まっている。

【画像】戦いはすでに始まっている!!「プロ野球12球団」監督(裏)査定

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