西島秀俊×中村倫也『仮面ライダーBLACK SUN』、視聴者大荒れの安倍元首相、麻生太郎氏「モロ連想」描写と「意外すぎる3人の怪演者」!

日刊大衆

『仮面ライダーBLACK SUN』公式ツイッター(@KR_BLACKSUN)より
『仮面ライダーBLACK SUN』公式ツイッター(@KR_BLACKSUN)より

 10月28日午前0時に、西島秀俊(51)と中村倫也(35)のダブル主演作『仮面ライダーBLACK SUN』(Amazonプライムビデオ)の配信がスタート。

 同作は、現在も絶大な人気を誇る1987年放送の倉田てつを(54)主演作『仮面ライダーBLACK』(TBS系)のリブート作品で、「仮面ライダー生誕50周年記念プロジェクト」の大型企画であること、『孤狼の血』などを手掛けた白石和彌監督(47)がメガホンをとることなど多くの要素から注目を集めてきたが、予想外の役者が絶賛されているという。

「主演の2人は言わずもがな、まだ15歳ながら堂々とメインヒロインを演じた平澤宏々路さん(15)、怪人サイドの濱田岳さん(34)や音尾琢真さん(46)、吉田羊さんといった安心感のあるベテランの演技に期待するファンは多かった。

 しかし、いざ公開されてから特に痛烈な印象を与えたのは、元キングオブコメディの今野浩喜さん(43)なのは、作品を見た方の誰もが納得するところでしょう」(特撮ライター・トシ=以下同)

(※本記事は以下『仮面ライダーBLACK SUN』に関するネタバレがあります。未見でこれからご覧になる予定のある方はご注意ください)

 一般的なヒーロー作品と違い『仮面ライダーBLACK SUN』の世界において「怪人」は「人間に虐げられる弱者」としての側面が色濃く描かれている。劇中のデモシーンや迫害の描写などは、現実の人種差別問題を描いた報道や作品でたびたび見かけるそれとほとんど同じだ。

 そんな世界観の『BLACK SUN』で今野が演じていたのは、怪人差別問題に異を唱える「バカ言ってる!」が口癖の主導者・井垣渉。

「差別っつーのはね! 人間が人間に対して行なうものなんですよ!(中略)だから怪人に対する差別なんてものはこの世に無いんですよ!」

 というセリフからも分かるように、非常に強烈な個性を持つキャラクターだった。

■「そこに愛はあるんか」のフレーズが改めて思い出される

「今野さんといえば『アイフル』のCMで大地真央さん(66)と共演し、大地さん演じる女将さんに言われる“今野、そこに愛はあるんか?”というフレーズが有名ですが、今回演じている井垣はあまりにも愛のないキャラなので、ネットでは早くも今野の演技の感想に“そこに愛はあるんか?”という声が多いですね(笑)。本人は嫌われるのを期待していただけに、大成功です」

 キャスト発表時に今野は《井垣目線で物語を作ったらそんなに悪人には映らない可能性もある気がしますが、このドラマにおいてはだいぶ悪い映り方をしてる奴だと思います》《皆様からどのくらい嫌われるかも楽しみ》とコメントしていたが、今野の演技はそういう意味では視聴者に大絶賛されており、

《キンコメ今野さん、前から良い演技をする人という印象があったけど、井垣役はマジで素晴らしかった(今野、そこに愛はあるんか?)》《今野がゴリゴリ差別丸出しBLACK SUN2周目完走したけど、何回見ても「今野、そこに愛はあるんか?」って言いたくなる》

 といった声が多数寄せられている。

■ルー演じる「悪の総理大臣」のイヤらしい演技が大絶賛

「次に、視聴者に絶大なインパクトを与えたのも、やはりお笑いタレントの印象が強いルー大柴さん(68)でした。大柴さんが演じていたのは、内閣総理大臣の堂波真一。裏側で秘密裏に怪人を利用したビジネスで私腹を肥やす悪徳政治家です。大柴さんの飄々とした感じからお笑いの要素を抜くと、あそこまで見ていてイライラする、憎らしい存在になれるのか、と意外な演技力に驚いた人も多いでしょうね。

 国会答弁のシーンで与野党がやり合う場面や、非人道的な行為を散々繰り返しておきながら、部下がジョークを真に受けた返事をした際に“パワハラになっちゃうじゃないか”と気にかける生々しい無神経さなど、実にふてぶてしいイヤな演技を見せていました」

 大柴自身も「悪の総理」「ほしいままに悪事を働く人物」とする堂波総理は、野党の批判の声をスルーして国会を終えて「“民意を得られると思うか?”思っちゃいねぇよ。この世界のほとんどは民意無しで作られてきた。そんなことも分からないから、あいつら一生野党なんだ」と言い放つなど、典型的な悪役だった。

■「某政党の2人を思い出す」という声多数のルー大柴と寺田

「今までにやったことない役なので、けっこうサプライズしながらやってます」と10月18日にツイッターのキャストインタビューで“ルー語”で話していたルー大柴だが、

《ブラックサン、ルー大柴のポテンシャルを最大限まで引き出してて凄い なぜルー大柴のポテンシャルを引き出そうとしたのかは分かんないけど》《悪の総理大臣役のルー大柴がめちゃくちゃうまくてこのルー大柴ってあのルー大柴とルー大柴がゲシュタルト崩壊する感覚が。》《ルー大柴のポテンシャルを引き出し過ぎでしょブラックサン。》

 と視聴者には大好評だった。 

 また、役名が“幹事長”で出番もセリフも少ないながら、大柴と一緒に強烈すぎる「現実とのシンクロ」を与えたのが、名優・寺田農(79)だった。もっとも、大柴と寺田の高すぎる演技力が、作品の評価が番外で賛否別れる要因になった部分はあるが……。

■「元ネタ」に反応する視聴者は多い

「ルー大柴さん演じる堂波総理は安倍晋三元首相(享年67)、寺田さん演じる“幹事長”は安倍さんの盟友である麻生太郎副総裁(82)に非常にそっくりで、あからさまなオマージュが感じられました。

 本筋とは全く関係ないところで、2012年に起きた安倍元首相の“3500円カツカレー報道”を意識したような場面があったほか、ネットで有名な“野党の答弁に2人で笑う安倍と麻生”の構図に露骨に寄せたカメラワークなどもあり、寺田さんはさすがベテランというべきか、表情や“姿勢”の演技が完璧に麻生さん独特の雰囲気を完全再現していましたね。

 詳細は伏せますが、旗色が悪くなったら“解散総選挙”でうやむやにしようとする、という会話もあり、暗に“自民党を揶揄しているのではないか”という考察もあります」

 実際に本編を鑑賞したファンからは、

《仮面ライダーBLACK SUNまだ一秒も観てないんだけど寄せかたが明らかに安倍と麻生なのじわじわくるな。》《改めてちゃんとキャラを殺す作品ってなにか訴えかけてくるものあったしなんか政治の描写とかまんま自民党だしww》《BLACK SUN、「総理!総理がお答え下さい」とか野党ディスる総理大臣とかの現状の野党&自民党完コピが完コピと言っていいレベルだったと思うんだけど何あれ》

 といった声がSNSに多く上がっている。

■政治色の強い作風に評価は大荒れ!

 こうして役者陣の演技が高く評価されている一方で、従来の『仮面ライダー』に比べて非常に政治思想が色濃く描かれた作風は、純粋な“怪人と人間の対立劇”や“改造人間の悲哀”といった要素に期待していたファンには合わなかったこともあり、評価は賛否がくっきり分かれてしまった。

《政治風刺が露骨すぎる》《今の世界情勢とあんましマッチしてない政治思想が垣間見えて嫌だな…》《自分が1から作り出した作品ならともかく、仮面ライダーというビッグブランドを借りといて、自分の政治思想を混ぜ込んで来るとは…》

 そんな批判の声も多い。

「視聴者に解釈を委ねる、考えさせる作風とも言える。“生誕50周年”という大作だし綿密な話し合いのうえ制作陣も、こうなることは想定してGoサインを出したと考えるのが自然でしょうが、どうしても政治の右翼左翼の話題は荒れやすいし、全体的な尺を政治の話題に割きすぎた感はあります。

 役者陣の重厚感ある演技や画作りはいいし、極端にシナリオが破綻しているわけでもないので、こればかりは評価が割れるのもやむなし、といった感じですね」

 非常に政治色の強い作品になった『仮面ライダーBLACK SUN』。そこから何を汲み取るかは、観る人次第というところか――。

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