体育会系人材が持つ特別なポテンシャルとは? (2/3ページ)
私は大学まで野球をやっていたのですが、野球を通じてこうした能力が既に身についていることが就職する当時はわかりませんでした。
その意味では今回の本は私自身が学生時代に欲していた情報を盛り込んだものだと言えます。競技に打ち込んできた人は「スポーツしかしてこなかった人」ではなく「実社会でも活きる経験を培ってきた人」だということを知ってもらいたいと思います。
――松本さんは高校・大学と名門チームで野球をやってこられました。となると、頭の片隅には「プロ野球」があったかと思いますが、当時は社会に出た後の自分についてどんなイメージを持っていましたか?
松本:高校時代に運よく春の選抜高校野球に出ることができたのですが、そこで全国レベルの選手を見た時に、自分は到底プロに進める選手ではないと感じて、途中からはプロ野球に進むイメージは湧きませんでした。大学で野球を続けて、社会人野球に進めたらいいな、くらいのイメージでしたね。
――会社員になった自分のイメージは持っていましたか?
松本:それは全然なかったです。父が消防士だったので、そういう仕事への憧れがあったのですが、大学でケガに泣かされたこともあって自分は体が強くないということはわかっていましたし、痛みもありますし、何より消防士になるには筆記試験があるじゃないですか。それまで勉強らしい勉強をせずにきていましたから、筆記試験に通らないだろうと思って、どうしたものかと考えていました。
――アスリート自身が「自分はスポーツしかやってこなかった人間」だと考えて、スポーツをする過程で身につけてきた様々な能力を自覚していないというご指摘には納得しました。アスリートが競技以外でも活きる能力に自分で気づかないことにはどのような背景があるのでしょうか?
松本:一つ言えるのは助言者がいないことでしょうね。
ましてチームメイトは基本的に自分と同じ経験をしているわけで、客観的な視点を持っているわけではありませんし、寮生活をしていたりすると一般学生との接点も少ないでしょう。