「朝ドラ」超えのNHK「夜ドラ」を識者が解析!奇跡のドラマ『あなブツ』、“社長”井ノ原快彦主演作も…「新挑戦」成功のワケ

日刊大衆

井ノ原快彦 ※画像はNHK夜ドラ『つまらない住宅地のすべての家』公式インスタグラムアカウント『@nhk_yorudora』より
井ノ原快彦 ※画像はNHK夜ドラ『つまらない住宅地のすべての家』公式インスタグラムアカウント『@nhk_yorudora』より

 NHKで現在放送されている『夜ドラ』をご存じだろうか。『夜ドラ』とは、毎週月曜日から木曜日の22時45分~23時の15分間に放送される連続ドラマで、2022年4月に井上祐貴(26)や桜田ひより(19)らが出演した『卒業タイムリミット』が『夜ドラ』枠の第1弾だった。その後、眞栄田郷敦(22)主演の『カナカナ』、仁村紗和(28)主演の『あなたのブツが、ここに』といった作品が制作されてきた。

 現在は、滝沢秀明氏が辞任したのを受けて、ジャニーズアイランドの社長に就任した元V6井ノ原快彦(46)が主演する『つまらない住宅地のすべての家』が放送中。同作は10月10日から、全6週に渡って放送されることになる。

 視聴者からは「NHKの夜ドラ面白い作品が続いてるなぁ 今やってる『つまらない住宅地のすべての家』も本当に面白い」「登場人物のすべてに謎や問題を感じるし、ストーリーも予測不能!」といった好意的な意見が、数多くSNS上に寄せられている。

 NHKとSNSというと、最近思い起こされるのは「#ちむどんどん反省会」というハッシュタグ。流行語大賞にノミネートされてしまったのだが、このワードは残念ながら、破天荒すぎる展開が理由で毎日のように炎上していた前クールのNHKの「朝ドラ」黒島結菜(25)主演の『ちむどんどん』に由来するものだ。

 60年以上の歴史を誇る朝ドラより、今年始まった夜ドラのほうが高評価を得ていることになる。

 そこで本サイトは、ドラマファンから抜群の人気を誇る「夜ドラ」について、ドラマ関連の記事やインタビューを手掛けるライターの中村裕一氏に詳しく話を聞いた。

 この「夜ドラ」枠の設立という新しい挑戦について、中村氏は「朝の連続テレビ小説、通称『朝ドラ』に対して、夜に短いドラマを連続して見るという新しい視聴習慣を根づかせようという目的のもと設立されました」と話す。

■仁村紗和主演『あなたのブツが、ここに』は「奇跡のドラマ」

 中村氏は、『夜ドラ』枠で放送された作品の中で『あなたのブツが、ここに』が「ダントツで面白かったです」と続ける。

 同作は、コロナ禍でキャバクラの客足が激減し、仁村紗和演じる主人公のシングルマザー・山崎亜子がキャバ嬢から宅配ドライバーに転身、四苦八苦しながら新しい仕事に挑戦、毎田暖乃(11)演じる娘の咲妃との親子関係などを描いている。

「コロナ禍という特殊な状況の中で必死に生きる人たちの姿を描くともに、主人公である元キャバ嬢の宅配ドライバーを演じた仁村紗和さんのイキイキとした表情、その娘役の毎田暖乃さんの存在感、そのほかの個性的な登場人物たちすべてが見事にマッチした奇跡のドラマだと思います。

 ちなみに、このドラマはNHK大阪局の制作によるものですが、個人的にはNHK大阪局制作の夜ドラはもちろん、他の地方局制作の作品ももっと見たいです」

 10月10日から放送されているの井ノ原主演の『つまらない住宅地のすべての家』については、井ノ原演じる町内会の自治会長・丸川明が、町内に脱獄してきた服役囚がいるという噂を聞きつけて「町内見張り」「謎が謎を呼ぶスリリングな展開が人気です」と中村氏は続ける。

「正確にはわかりませんが、15分という時間は視聴者がストーリーを追い、先の展開を考え、“次が見たい”と心に引っかかるにはちょうどよい時間なのではないでしょうか。その意味で夜ドラはサスペンスやミステリーと相性が良いと言えるでしょう。これは推測ですが、もしかすると朝ドラの方法論が夜ドラにも使われているかもしれません」

■今後の夜ドラは恋愛面も注目!

 15分という短時間のドラマを4日連続で放送する『夜ドラ』は、22時45分という深い時間帯に放送されている点も作品に影響していそうだ。

「ショートムービーのような15分という短さは、SNS全盛の今、TikTok感覚で手軽に見ることが出来ますし、1日の締めくくりにはぴったりの長さだと思います。録画したものを週末にまとめて見たり、見逃し配信を活用してあえて朝の通勤時間に見たりなど、自由にさまざまなスタイルで楽しめるのが今の時代にマッチしており、新しいと思います」

 11月29日からは、比嘉愛未(36)主演、元℃-ute鈴木愛理(28)のサポートなどをしているミュージシャンの西野恵未が共演するドラマ『作りたい女と食べたい女』(以下『つくたべ』)、その後2023年1月9日からは丸山礼(25)主演の『ワタシってサバサバしてるから』(以下、『ワタサバ』)が放送される予定だ。

「『つくたべ』は『孤独のグルメ』シリーズ(テレビ東京系)以降、今やすっかり定着したグルメドラマ。安定感はあると思いますが、それゆえに目の肥えたドラマファンが食いつくかどうかがポイント。公式ホームページによると、比嘉さん演じる主人公のアラサー女性と、西野さん演じるふとしたことから彼女と仲良くなるアラサー女性の恋愛も描かれるそうなので、他のグルメドラマとの違いをどう出していくのか大いに注目です。

『ワタサバ』は、原作コミックが大人気です。自意識過剰なクセ強の主人公・網浜を演じる丸山礼さんがドンピシャなキャスティングとあって、今から楽しみにしています。原作は後輩の男性とベッドインするなど、かなり踏み込んでいますが、ドラマでどこまで再現できるか、最後はどういう風にまとめるのか非常に期待したいです」

 今後も意欲作が続く『夜ドラ』枠。15分を週4回という新たな視聴習慣を根付かせる、NHKの“挑戦”がたくさん見られそうだ。

中村裕一(なかむら・ゆういち)
ライター。『週刊SPA!』『フジテレビュー!!』、『テレ朝POST』、『AERA dot.』などで執筆している。主にテレビドラマ関連の記事やインタビューを担当。Yahoo!ニュースの個人オーサーとしても活動している。

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