大相撲九州場所を100倍楽しむ!「秋場所の優勝を意識したのは12日目から」玉鷲インタビュー

日刊大衆

画像はイメージです
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 混戦の秋場所、元大関・髙安との直接対決を制し、2度目の賜杯を抱いた玉鷲。37歳10か月での優勝は、旭天鵬(現・大島親方)の史上最年長記録を2か月更新する快挙だった。九州場所では三役に復帰、連覇も注目される玉鷲を直撃した。

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ーー2度目の優勝、おめでとうございます。優勝を意識されたのは、いつ頃からだったんでしょうか?

玉鷲(以下、玉) 12日目くらいからですが、力士って、ほぼ全員、初日に白星を上げると「おっ、今場所、優勝いけるぞ」って思っちゃう(笑)。自分もそうで、初日から6連勝したことは大きかったと思います。

 7日目に若隆景関に負けましたが、それも逆によかった。「優勝とか勘違いするなよ」と、心も体もリラックスできて、再び、一から自分の相撲を取れるようになりました。

ーー5日目には、横綱・照ノ富士関から金星を獲得。直近5場所で照ノ富士関からは4個目の金星、「照ノ富士キラー」とも呼ばれていますよね。

玉 あの相撲は体がよく動いて、前に出ていく気持ちが全面に出ていたのがよかったですね。

 照ノ富士関は昔から、いつも話しかけてくれて、仲はいいんです。だけど、土俵の上では真剣勝負。向こうも熱いし、こっちも熱くなる。もちろん横綱だから強いんですが、より気合いの入る相手ですね。

ーー気合いの入る相手は他にも?

玉 やはり、元横綱の白鵬関(宮城野親方)。よく張って挑発されました。自分は張られると、一瞬、カッとなって硬くなるんです。そこを白鵬横綱は、しっかり計算しているんですね。

 初優勝した2019年初場所の白鵬横綱との一戦も、そう。あのときも張られましたが、「来たな。ここでカッとしたらダメだ! 落ち着け」と自分に言い聞かせ、勝利しました。

■優勝がかかると、寝るときも食事中も、トイレでも考えちゃう

ーー心理戦なんですね。

玉 そうですよ。でも、大関の貴景勝関には、張られて熱くなりたい。4日目、琴ノ若との張り合いがあったでしょ。あれ、俺にやってくれないかな(笑)。自分と同じ押し相撲一本で、大関にまでなっていますからね。尊敬しているし、意識している相手です。

ーー秋場所は2度目の優勝争いとなりました。心理面では、いかがでしたか?

玉 初めてのときとは全然違います。優勝がかかると、寝るときも食事中も、トイレでも考えちゃうんですよ。体も疲れて、相撲内容もおかしくなる。

 対戦相手とではなく、自分との戦いです。その経験があったので、前よりリラックスして臨めました。

ーー千秋楽は、3敗の髙安関との直接対決でした。

玉 土俵に上がる前から、髙安関の顔をじっと見ていました。すごく落ち着いている感じがしたんですね。でも、仕切りを重ねるうちに、「もしかして、(髙安関は)緊張しているんじゃないか?」と思えてきたんです。スキは必ずある……と確信しました。

 この時点で、自分が1差リードしているから、もし本割で負けても、優勝決定戦で勝てば、優勝することはできる。でも、「2回目(決定戦)は、なし! この勝負で決める!」。そう決めて、立ち合いから思い切って前に出たんです。

ーー結果、髙安関に圧勝。2回目の優勝を決めた瞬間は、どんな思いでしたか。

玉 「やったぞ!」という晴れ晴れしい気持ちだったんですが、本当のことを言えば、ホッとしたというか、「やっと終わった」という感じでしたね(笑)。国技館のお客さんが喜んでいる姿を見て、本当にうれしかったです。

ーー初優勝した2019年1月の初場所後、『週刊大衆』インタビュー(3月18日号)で、「1回(優勝を)経験すると、もう1回できるかもという欲が出てくる」と言っていたのも印象的でした。

玉 そんなこと言ってたんですね(笑)。人間って、誰にでも「欲」があると思うんです。欲しかったものを手に入れても、もっと欲しくなるし、いっぱい欲しくなる。

 初優勝から4年近くがたって、その当時より、「欲」は薄れていたかもしれないけれど、7月の名古屋場所で初めてコロナによる休場を経験して、ちょっと意識が変わったのかもしれないです。

 インタビューの続きは11月14日発売の『週刊大衆』11月28日号で。

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