せっかくの新築マイホームが…『吾妻鏡』が伝える北条時房(トキューサ)の悲しみエピソード【鎌倉殿の13人】 (2/3ページ)
午前4:00ごろに強風が起こり、午前10:00ごろまで吹き荒れた。何とか風が収まると、時房(相州、相模守)の新築マイホームが吹っ飛んでしまっていた。これは縁起がよいのか悪いのか占わせたところ、結果は「すこぶる不吉」とのことである。
気象庁データによると、木造家屋が倒壊し始める風速は毎秒40メートル以上と言われており、時速に直すと144キロ。プロ野球のピッチャーが投げるスピードを全身で受け止めるような感覚でしょうか。
(ただし当時の建築技術を考えると、もう少し風速が弱くても倒壊しそうですが)
最近では令和2年(2020年)10月に猛威を振るった台風14号がこのクラスになります(瞬間最大風速は60メートル毎秒)。
ところで『吾妻鏡』では時房の家だけ倒れたように書いていますが、恐らく周囲の民家なども甚大な被害を受けたはずです。
しかし、もしそうなら「多くの家が被害を受け、時房の家も倒壊した」的な書き方をするはず。まさか、本当に時房の家だけがピンポイント倒れたのでしょうか。
あるいは『吾妻鏡』の編纂者にとって「時房の新築マイホームが吹っ飛んだ」というインパクトがよほど強かったとも考えられます。
「あぁ……せっかく建てたばかりだったのに……」
時房の嘆くまいことか。ともあれ事の吉凶を占わせますが、この大惨事が吉なんてことはあるのでしょうか。
占いの結果はやっぱり大凶。すこぶる不快ということで、その後時房に何が起こったのか心配になってしまいますね(※『吾妻鏡』にはしばらく時房に関する記述なし)。