大谷翔平は「エースで4番」三冠王・村上宗隆も!史上最強!WBC侍ジャパン「黄金スタメン」と「激闘」舞台裏

日刊大衆

写真はイメージです
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 3月に始まるWBC第5回大会には、豪華なメンバーが集結する。“日本野球”は再び世界の頂点を奪取できるか――。

 新型コロナウイルスの世界的流行を受けて、無期限延期となっていたWBCの第5回大会が、いよいよ来年の3月に開幕する。

「本戦には過去最多となる20か国が出場。プールBの日本は韓国、オーストラリア、中国、チェコの4か国と、東京ドームでの第1ラウンドを戦います。強化試合では半数以上が初選出と、顔ぶれもフレッシュでしたが、本戦メンバーはガラリと変わるはず。侍ジャパンも大谷翔平を筆頭に、“史上最強”の布陣が期待されます」(スポーツ紙デスク)

 2006年の第1回大会で優勝、続く第2回大会(09年)も連覇。今大会で3度目の頂点を目指す侍ジャパンの“黄金スタメン”は、どのような布陣になるのか。同時に、日本中が沸いた大会連覇の“激闘”の記憶も振り返ってみたい。

■二刀流の参戦が国際大会の舞台で実現

 なんと言っても、今大会の目玉は“二刀流”大谷翔平(28=エンゼルス)の参戦だろう。ジャパンの指揮官が、日本ハム時代の“恩師”栗山英樹監督であることを考えても、彼が投打の軸となるのはほぼ間違いない。

「エンゼルスは大谷のWBC参戦に前向き。本人も出場したいと語っているため、代表入りは確実でしょう。彼が参加すれば、漫画でしか見られなかった“エースで4番”が国際大会の舞台で実現するわけです」(球界関係者)

 第1回大会の代表で、大リーグ経験もある元ロッテの薮田安彦氏も、こう言う。

「現時点ではまだ不透明ですが、仮にWBCでも“大谷ルール”が適用されるのであれば、おそらく大リーグでのレギュラーシーズンと似た起用になる。打つほうは指名打者でフル出場。投げるほうでも、先発として試合を作る。それが選択としてはベストでしょうね」

 ただ、舞台は世界一を決める“頂上決戦”。世間には映画『メジャーリーグ』のリッキー・ボーンよろしく“守護神・大谷”を期待する声も少なくない。大谷も、起用法については「(先発に)こだわりはない」と明言するが、「確かに盛り上がりはするでしょうが、あれだけの球を放れる投手ですから、最初からクローザーというのは正直、もったいない。第2回大会のダルビッシュ有(36)のように、結果的にそうなったというのであれば、それも戦略的な選択肢の一つとしてアリだと思いますけどね」(前同)

■守護神・大谷の現実味

 ちなみに、万が一“大谷ルール”が不採用となった場合は“守護神・大谷”が一気に現実味を増す。抑えであれば、“降板後は打席に立てない”といった心配をする必要がないからだ。

「16年のCSファイナルステージ第5戦で栗山監督は、指名打者で出場していた大谷に抑えを任せる“神采配”で、日本シリーズ出場を決めた過去もある。あの試合では、NPB最速記録を更新する165㌔を連発していましたからね」(前出のデスク)

 では、そんな大谷を含む投手陣の顔ぶれは、どうか。

■2年連続投手四冠&沢村賞!球界一の剛腕

 史上初となる、2年連続投手四冠&沢村賞に輝いた“球界一の剛腕”山本由伸(24=オリックス)。2年連続最多勝&最高勝率に、今季は最優秀防御率も奪取した青柳晃洋(28=阪神)は当確だろう。

 4月の完全試合もまだ記憶に新しい佐々木朗希(20=ロッテ)も、代表入りしそう。あの剛球が、現役大リーガーに、どこまで通用するのかも楽しみだ。

「多彩な変化球と球威を誇る山本はもちろん、青柳のような変則投法も、国際試合では有効です。佐々木も、あそこまでの速球とフォークを放れる投手は大リーグにもそういない。ストレートがシュート回転する悪いときのクセさえ出なければ、十分通用すると思いますよ」(薮田氏)

 ただ、WBCには「1試合65球以内(1次ラウンド)」といった厳格な球数制限がある。となれば必然、継投のタイミングが勝敗を左右する重要なカギとなる。

■軽打もこなせる選手が不可欠

「最大のポイントは“適応能力”。展開や流れが試合によって違う以上、いわゆる“第2先発”のような形での登板は、それが回の先頭からだとしても、通常の先発とは勝手がまったく違います。それだけに、難役の第2先発は、前も後ろも経験のある投手のほうが適している。その意味で、山本なんかは、うってつけだと思いますけどね」(前同)

 もっとも、意外な“ヒーロー”が生まれるのも短期決戦の醍醐味ではある。

 先の東京五輪でも、新人らしからぬ強心臓ぶりで伊藤大海(25=日本ハム)が大ブレイク。“追いロジン”は、今や代名詞ともなっている。

■近藤健介や柳田悠岐も!

 続いて、野手陣。本誌としては、大リーグ屈指の強打者である大谷をリードオフマンとする超攻撃型打線を推したい。

 13年の第3回大会で戦略コーチを務めた現BC・新潟監督の橋上秀樹氏が、短期決戦ゆえの“打”の難しさを、こう指摘する。

「初対戦の投手から、いきなり長打を打つなんて芸当は、どんな選手でも難しい。空中戦のような大味な試合は実際、ほとんどないですしね。なので、重視するなら、長打力より確実性。私が参加した第3回大会で言えば、井端弘和鳥谷敬のような対応力があって軽打もできるタイプが、実は最も生きる環境ではあるんです。決勝の舞台となるローンデポ・パークは、投手有利の球場としても有名ですしね」

 となれば、大谷や“三冠王”村上宗隆(22=ヤクルト)といったチームの“顔”はもちろん、脇を固める存在の働きも肝心となる。

 日本一に輝いた吉田正尚(29=オリックス)は大リーグ挑戦が濃厚なため、WBCへの参加が不透明だが、同じく高い出塁率が見込める近藤健介(29=日本ハム)や、柳田悠岐(34=ソフトバンク)あたりは、確実に代表入りするだろう。

「加えてベンチに置くとすれば、代打よりも小技のスペシャリスト。向こうはクイック(モーション)が苦手な投手も多いですから、ここぞの場面ではバントや盗塁が重要な意味を持つ。“例のダブルスチール”も、二塁走者の井端に代走を送っていれば、結果は違ったかもしれませんしね」(前同)

 橋上氏が“例の”と語るのは、第3回大会の準決勝プエルトリコ戦での一幕だ。2点ビハインドの8回裏。一死一、二塁から一塁走者の内川聖一が飛び出して、重盗に失敗したシーンだ。

「あそこは“走れる”というデータ的な裏づけも当然あったんですが、あのとき二塁走者だった井端はそこまで足に自信がなく、本人いわく“若干躊躇した”と。本来であれば、仕掛ける前に代走を出せたらよかったんだけどね」(前同)

 “足”も重要となる国際大会だが、第3回大会では、両リーグの盗塁王だった大島洋平と聖澤諒の2人が最終選考から外れていた。

■王貞治に非通知で電話したイチロー秘話

 では、連覇した第1回、第2回大会の戦いぶりははたして、どうだったのか。

 出場辞退者が続出した初の大会は、王貞治監督をもってしても編成には四苦八苦。同年、日本一からアジア王者にもなったロッテから大量8名が選ばれるなど、球団ごとの偏りもあった。

「周囲も心配したほどの苦境を救ったのは、いち早く王さんに直接“喜んで”と参加を伝えたイチローでした。イチローは、ふだんの設定のまま非通知で王さんに電話したそうですが、かけた自分より先に“ハイ、王です”と名乗った王さんに、“器の大きさを感じた”と感激したそうです」(前出の球界関係者)

 そんなイチローが率先してリーダーシップを発揮したチームは、韓国戦での連敗や、“誤審”で惜敗したアメリカ戦などもあり、2次リーグで崖っぷちに。

 3度目の対戦となる準決勝・韓国戦を翌日に控えたミーティングでは、選手たちにも「状況的に進出は絶望的なのに、やる意味あるの?」と、シラケムードが漂っていたという。

「ミーティング後、チームは慰労の食事会を開催。だが、その同時刻にメキシコがアメリカに勝利し、日本のベスト4がからくも決まった。選手たちは食事そっちのけで、店のテレビに熱中していたと聞いています」(前同)

 結局、日本は敗退寸前の土壇場から、韓国、キューバに連勝。初代王者の栄冠を手にした。

■“背中で語る”存在は現れるか

 原辰徳監督が率いた3年後の第2回大会でも、連続出場の“英雄”イチローの人気はすさまじく、強化合宿が行われた宮崎では、球場までの幹線道路で大渋滞が起きたという。

「すでに彼は当時35歳。生のイチローが日本で見られる残り少ない機会とあって、全国からファンが殺到しましたんです。ただ、本戦では彼の打撃不振もあって、チームはまたも敗退危機。敗者復活戦からの“下克上”で勝ち上がっていくことになりました」(同)

 だが、そんなジャパンの危機を打破する“救世主”となったのも、やはり大黒柱であるイチローだった。延長戦へともつれ込んだ決勝・韓国戦の決勝打は、今でも語り草だ。

「不振のイチローに、マウンドの林昌勇も迷わず勝負を選択した。前回大会における“向こう30年”発言などもあり、韓国にとっても、彼は因縁の相手でしたしね。当のイチローも、同大会では5度も自らバントを試みるなど、苦悩した。あの勝ち越しタイムリーは、そんな彼の執念を感じる一打でした」(同)

 きたる大会に、イチローのような“背中で語る”存在は、はたして現れるか。

■マー君&ダルも代表入りか!?

 先日、SNS上で「出たい」と“立候補”した田中将大(34=楽天)などは、WBCを2度も経験している大ベテラン。“精神的支柱”としても適任だが、「栗山監督としては明らかに陰りの見えるマー君より、ダルを呼びたいのが本音でしょう。ただ、公私ともにダルと懇意のマー君を呼べば、現時点では参加に慎重なダルも態度を軟化する可能性がある。2人そろっての参戦となれば、これはもう文句なしの“ドリームチーム”ですよ」(前出のデスク)

 ただ、スターが一堂に会するとなれば、それだけ舵取りの難しさも増す。日ハム時代は、編成にもほぼノータッチだったという栗山監督に、選手の取捨選択ができるのか、という懸念の声も一部にはある。

「よくも悪くも、自分の色をあまり出さないのが栗山監督の“色”。選手たちの個性に合わせる彼のやり方が吉と出るか、凶と出るかそういった部分も、見どころの一つではありますね」(橋上氏)

 本大会まで、約4か月。“史上最強”侍ジャパンの活躍が待ち遠しい。

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