国際 MDM2ワークショップ開催のご案内~がん抑制遺伝子 p53 とその制御因子 MDM2 の最先端の研究発表~ (2/3ページ)

バリュープレス

また、変異型p53を野生型に戻す薬剤や、p53非依存性のMDM2のがん促進機能を抑制する薬剤など、新しいp53-MDM2経路標的薬剤の開発も進んでいる。さらに、p53変異型をもつ癌を標的にしたワクチンなどp53-MDM2経路を免疫療法に応用する研究も進んでいる。これらの一部はすでに臨床応用の段階で、成功例もいくつか報告されつつあるが、いまだ重篤な副作用やがんの再発など問題点が多い。本会はp53-MDM2経路の基礎研究と臨床応用と製薬会社の著名な研究者が一同に会し、基礎研究の進歩および近年脚光をあびつつあるp53-MDM2経路を標的にした治療法の問題点を解決する活発な議論の場となることが期待される。

【国際MDM2ワークショップ概要】
 国際MDM2ワークショップには、p53を発見したDavid Lane博士とArnold Levine博士に加え、名誉ある米国科学アカデミー会員であるCarol Prives博士、Guillermina Lozano博士、Karen Vousden博士、さらにはRocheで世界初のMDM2阻害剤の開発を行ったBinh Vu博士などを含む約30人の世界的に著名な研究者がすでに参加を了承しており、海外からは100名程度の参加者が見込まれる。日本からも、主催者である国立がん研究センターに加え、最先端のがん研究をおこなっている東京大学、千葉大学、帝京大学、金沢大学、札幌医科大学の教授がすでに参加を了承しており、若手研究者を含めると100人以上の参加者が見込まれる。

 4日間にわたる当ワークショップでは、基礎生物学的な研究に加え、p53-MDM2相互作用を利用した新規治療法の開発へと繋がる臨床応用研究を討論し、世界各国の若手研究者も含めた世代を超えた研究者間の交流と、そこから生まれる国際的な共同研究への発展が期待される。p53およびMDM2研究の国際的知名度は高いが、残念ながらこの規模のp53あるいはMDM2研究の学会は今まで日本で開催されたことはない。アジアで初めて開催される国立がん研究センター研究所主催の国際MDM2ワークショップは、今後発展していくこの分野で日本人研究者がプレゼンスを示し、世界をリードしていく上で非常に重要である。

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