「幾多の別れに立ち会った青年の日常に迫る!」下駄華緒「火葬場のウラ側を知る男の巻」珍談案内人・吉村智樹のこの人、どエライことになってます! (2/2ページ)
「骨になったご遺体の胸に刺さるように、手術に使う鉗子し(体の組織や臓器をつかむハサミのような器具)が出てきた経験があります。“手術後に体内にこんな大きなものを忘れてきてしまうケースが本当にあるんだ”とゾッとしました」
どんな事態にも冷静に対応すべき火葬場職員。それでも「胸が痛くなる」のが児童の火葬だ。
「子ども用なので、棺が小さいんです。その時点で気持ちが沈みます。だからこそ、できる限り淡々とお骨上げを進行します。そうでないと、悲しすぎますから……」
幾多の悲哀に立ち合ってきた彼。ついに「自分の祖母」の火葬を執り行う日が訪れる。
「祖母が病床で“知らない人に火葬をされるのが怖い。おまえに焼いてもらいたい”と言い、それが遺言となりました。祖母孝行ができたのではないかと思います」
親族がしんみりと故人をしのぶお見送りがあれば、遺産目当てで骨壺を奪い合う醜い争いもある。
火葬場は人生の縮図。さまざまな生き様の集大成の場を、滞りなく収めてくれる火葬場職員さんたちに、改めて感謝したい。
よしむら・ともき「関西ネタ」を取材しまくるフリーライター&放送作家。路上観察歴30年。オモロイ物、ヘンな物や話には目がない。著書に『VOW やねん』(宝島社)『ジワジワ来る関西』(扶桑社)など