動物たちにも親子の愛情。しかし人間は……源実朝が詠んだこんな一首【鎌倉殿の13人】 (2/3ページ)

Japaaan

しかし人間は……

ものいはぬ よものけたもの すらたにも
あはれなるかなや おやのこをおもふ

※源実朝『金槐和歌集』第597番

【意訳】モノを言わない四方(ここでは人間界の四方を取り巻く自然の意)の獣(けだもの)たちであっても、親が子供を思いやり、心を通わせる姿に感動してしまう。

動物が家族や友達の絆を大切にする(※人間と同じく、個体差はある)ことは昔から知られており、実朝は子供を喪った親(恐らく母親)の姿を見たのかも知れません。

例えば狩りに出かけて小鹿を射止め、さぁ持ち帰ろうと思ったら母鹿の視線を感じた……そんなこともあったのでしょう。

我が子(大姫、頼家、三幡)を、孫(一幡)を喪った政子の悲しみはいかほどか(イメージ)

動物でさえそうなのに、人間だったらもっと辛いはずです。そう言えば身近なところで、母・政子(まさこ)が実朝の兄である源頼家(よりいえ)を喪っています。

果たして修善寺での暗殺事件は、母による意向も関与していたのだろうか……そんなことを考えてしまったのかも知れません。

言葉を操りながら心は通わず、己が欲望のために肉親同士で殺し合う(※)……そんな人間の宿業に、ほとほと嫌気が差してしまった実朝の顔が目に浮かぶようです。

(※)頼家も頼家で祖父の北条時政(ときまさ)を殺すよう命じているため、一方的にかわいそうな被害者でないところに、時代の厳しさを感じさせます。

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