まだまだ平野紫耀が見たい!『クロサギ』チャラ男からの冷酷非情な男への「ギャップの凄まじさ」

日刊大衆

※画像はTBS『クロサギ』公式サイトより
※画像はTBS『クロサギ』公式サイトより

 King & Prince平野紫耀(25)主演の『クロサギ』(TBS系)は、詐欺によって家族を失った男が「詐欺師を騙す詐欺師=クロサギ」になって詐欺師たちを騙し返すやり方で立ち向かうヒューマンドラマだ。第8話は、ひまわり銀行の執行役員・宝条(佐々木蔵之介/54)の、裏金作りの資金源である医療法人に狙いを定める。赤字だった病院を立て直した救世主である理事長に近づくために、その妻を利用する黒崎(平野紫耀)のビジュアルに誰もが心を奪われた。

■平野紫耀の魅力が爆発するチャラい黒崎のカッコよさ

 黒崎は、宝条を喰うために次の手に出る。裏金を作るために築き上げた“宝条帝国”の中から、ひまわり銀行の元行員であり宝条の後輩が理事長を務める医療法人を狙うことに決めた。理事長・宇佐美(津田健次郎/51)を喰うために、年の離れた若い妻・怜華(高田里穂/28)を利用する。

 ホスト風の若い男、お金持ちがタイプの怜華には、アカサギ(恋愛詐欺)のテクニックを使うのだが、黒崎の変装が完璧だった。ハイブランドのファッションに身を包み、カラーコンタクトにド派手なサングラス、金色のメッシュを入れた髪、高級車の運転も手慣れていて、実にチャラい。

 そして、ホストではなく医療関係の会社の社長だというのが小憎らしい。宇佐美とは金銭目的で結婚した怜華だったが、予約の取れない高級寿司店に宇佐美と行こうとしたり、結婚する前は自分を熱心に口説いてくれたことを忘れていなかったりと、かわいいところがあった。仕事優先で冷たい態度の宇佐美が作る穴を埋めるように、怜華の心に滑り込んでいく黒崎が見事だった。

 アイドルスマイル全開で寿司を食べ、自分を信じてあげたほうがいいと、ハスキーな声でたしなめる黒崎。生意気な口ぶりだけど、怜華を言葉巧みに転がして落としていくのだ。

 しかし、実際のところは怜華と会うのがしんどいのだろう。パティスリーでパルフェを食べて自分を癒していたり、飲めない酒につきあって翌日は二日酔いになっていたりと、苦手なことをして頑張っていることが伝わってくる。ドラマも終盤だというのに新たな一面を見せてくるなんて、本当に罪深い男だ。

■一線を越えた黒崎の攻撃力が凄まじい

 まるで、悪魔が高笑いをしているかのような恐ろしさだった。いつもの黒崎なら、10億円を奪って電話で「ごちそうさまでした」と伝えてトンズラするだろう。しかし、わざわざ理事長室に足を運んだのは、生活困窮者に生活保護を受けさせ、医療費を水増し請求させていた事実をつかんだことを伝えたかったからだ。

 巧妙な詐欺の手口には驚くばかりだが、証拠を隠蔽しようと必死な宇佐美がうろたえているのを見て笑う黒崎が恐かった。もう笑うのを我慢できないといった感じで、腹を抱えて床を転がりながら高笑いをする黒崎は恐い人だった。

 クールにシロサギを喰って満足するだけでは終わらず、なお踏みにじりあざ笑うなんて、冷酷そのもの。10億円の大金よりも、保険点数を水増しして裏金を作っていたという事実を掴んだこと、それが公表されたことに喜びを感じているのだろう。宝条の痛いところを刺して食いちぎった黒崎は、もう誰も止められない。

 そして、この芝居に平野の凄みを感じた。黒崎でもない、演じている平野でもない、ただの恐い人になっていたのは、黒崎という人物を全身で受け止め、染み込ませているからだ。黒崎がこれまで内に秘めていた悪意が自然に湧き上がってきて、体と表情が自然に動いたといった感じだった。だから、まるで別人のように感じたのだ。

 平野の芝居をもっと見たい。残り2話で作品が終了するなんて嘘だよ、騙してごめんねと言ってほしい。(文・青石 爽)

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