サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS)で発表されたPOSITIVE試験の結果について

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一般社団法人JBCRGのプレスリリース画像
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POSITIVE試験(IBCSG 48-14 / BIG 8-13;Pregnancy Outcome and Safety of Interrupting Therapy for Women with Endocrine Responsive Breast Cancer)は、妊娠を目的とするホルモン療法の一時的中断に起因する乳癌再発リスクを評価することを目的に、妊娠を希望して内分泌療法を中断することが安全かどうかを検証する研究です。このたび、2022年12月6日~10日に開催されたSan Antonio Breast Cancer Symposiumにて、乳がん患者の短期的な乳がん再発率は、妊娠のために治療を中断しなかった女性と同程度であり、多くが妊娠して健康な赤ちゃんを出産したという結果が発表されました。

サンアントニオ乳がんシンポジウム(San Antonio Breast Cancer Symposium;SABCS)で発表されたPOSITIVE試験(IBCSG 48-14 / BIG 8-13)の結果について

乳がんは中高年の女性に最も多く診断されますが、国内では毎年新たに診断される患者の約3.7%が40歳未満の女性です。こうした若い患者の多くが将来子どもを産み育てることを希望している一方、妊娠によって女性のがんを悪化させることに関して不安を抱いています。また乳がんの術後のホルモン療法(ET)は5から10年の長期にわたるため、妊娠をするためにはホルモン療法を中断する必要があります。
POSITIVE試験(IBCSG 48-14 / BIG 8-13;Pregnancy Outcome and Safety of Interrupting Therapy for Women with Endocrine Responsive Breast Cancer)は、妊娠を目的とするホルモン療法の一時的中断に起因する乳癌再発リスクを評価することを目的に、妊娠を希望して内分泌療法を中断することが安全かどうかを検証する研究です。このたび、2022年12月6日~10日に開催されたSan Antonio Breast Cancer Symposiumにて、乳がん患者の短期的な乳がん再発率は、妊娠のために治療を中断しなかった女性と同程度であり、多くが妊娠して健康な赤ちゃんを出産したという結果が発表されました。

本試験には、2014年12月から2019年12月にかけて、20カ国116施設から、妊娠を希望する42歳以下の女性518人が試験に登録され、18カ月から30カ月の術後補助内分泌療法ののち、約2年間治療を中断して妊娠を目指すことを選択しました。追跡期間中央値41ヵ月の時点で、44人(8.9%)の参加者が乳癌の再発を経験しましたが、その割合は、閉経前女性に対する内分泌補助療法を検討した他の研究に登録された患者さんにおける発生率(9.2%)と同等だったということです。ホルモン陽性乳がんは、最初の診断から年月が経過してから再発する可能性があり、今後、本試験では長期にわたる再発リスクを評価するためのフォローアップを実施する予定です。
発表の詳細は、SABCS及びETOP-IBCSG/BIGのプレスリリースをご確認ください。
SABCS プレスリリース:
https://bigagainstbreastcancer.org/wp-content/uploads/2022/12/First-results-of-POSITIVE-study-SABCS-press-release.pdf
ETOP-IBCSG プレスリリース:
https://bigagainstbreastcancer.org/young-women-with-breast-cancer-can-safely-have-a-baby-study-shows/

POSITIVE試験は、ETOP-IBCSGパートナーズ財団の一部門であるInternational Breast Cancer Study Group(IBCSG)と、北米のAlliance for Clinical Trials in Oncologyが、Breast International Group(BIG)と共同で主催・実施した国際試験です。
一般社団法人JBCRG(以下、JBCRGという。)は、2004年よりBIGに加盟し、国際共同研究に貢献しています。POSITIVE試験には、JBCRG会員施設より17機関が参加し、62例の患者さんが登録されました。本試験に勇気をもってご参加されたすべての患者さんとご家族、患者さんの試験登録を支えてくださった参加医療機関の関係者の皆様に、厚く御礼申し上げます。

また、日本において本試験は、エスティローダーグループの日本支社であります、ELCジャパン株式会社様と同社のBreast Cancer Awareness Campaignに協賛してくださった各社様、若年性乳癌患者団体のPink Ring様、個人の寄付者様より、JBCRGに寄せられた寄付金により実施することができました。ご支援いただいたすべての皆様に、重ねて御礼申し上げます。

当法人は、明日の乳がん医療の創生と、乳がんに脅かされない未来の実現に向け、本研究も含め今後も乳がんの臨床研究を推進してまいります。今後ともご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

【本件に関するお問い合わせ先】
一般社団法人JBCRG
事務局
https://jbcrg.jp/contact/



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