キンプリ・高橋海人、役者としての実力を証明した浸透度の高さ『ボーイフレンド降臨!』で見せた3つの顔 (2/3ページ)
現代美術家としてかしこと仕事をしたいという意思は、仕事第一で生きてきたかしこにとって、この上ない幸せだろう。自分に期待することをやめ、つらいことにも鈍くなっていた日々を過ごしていたかしこだが、澄人も同様に精神的に行き詰っていた。
だけど、2人だったら大きな仕事にチャレンジできるし、難しいことも一緒なら乗り越えられるのだ。自分を高めてくれる最高のパートナーだとお互い認識できるって、なんて幸せなことだろう。
再コンペを終わらせ、ゲリラアートの作者であることを認めて謝罪し、政治家の父親に話をつける澄人は、大人の男性になっていた。その上で、かしこを迎えにいって好きな気持ちを伝える男らしさがすてきで、それを受け止めたかしこもかわいらしかった。正面からお互いを受け止め、抱きしめあう二人が美しくて、胸がいっぱいになる。お互いが必要とする相手に巡り合えて思いを通じ合わせる、最高のハッピーエンドだった。
■高橋海人の俳優としての挑戦に期待すること
高橋は今作で、天真爛漫で才能あふれるアサヒ、現実に満足できず苦しみもがいていた澄人、そして記憶を戻してハイブリット型の澄人を演じるという難役を見事に演じた。笑顔がかわいい年下男子であることや、アーティストとしての実績があるため、本人とのシンクロ率も高かった。
だけど、素のままを見せるのではなくて、表情や声はもちろん、場の空気感さえもしっかり作ってアサヒと澄人を演じ分けていた。それは、これまで芝居で見せてきた学生役とは一線を画した芝居で、いち社会人として責任を持った人物になって生きていたし、初の単独主演作品とは思えないほどの落ち着きと存在感を放っていた。
それは力加減がしっかりできているからで、脇役でもいい芝居をすることはこれまでの出演作品をみてもよくわかる。現在公開中の映画『Dr.コトー診療所』(東宝)では、へき地医療の勉強で派遣された新人医師で、大病院の御曹司という役を演じている。『あきらとアキラ』(2022年/東宝)同様、主演ではない。しかし、作品に大きな影響を与える人物をしっかり演じているのが素晴らしい。