建設業界専門コンサルタントが指摘する建設業界の病理 (1/2ページ)
長引くコロナ禍で苦境に立たされているとされる建設業界。
利益が出ずに苦しむ企業が多いなかで、外的要因ではなく「売上至上主義」「どんぶり勘定」「粉飾決算の横行」など業界内部の問題を鋭く指摘するのが建設業界専門コンサルタント・中西宏一氏だ。
なぜ、この業界は赤字体質・薄利体質が染みついているのか。そしてそこから抜け出す方策はあるのか。
建設業界をとりまく環境と問題点、改善策、そしてこの業界の未来について、中西氏の著書『赤字続きの会社がみるみる蘇る 建設業経営「利益最大化」の法則』(パノラボ刊)を踏まえつつお話をうかがった。
――『赤字続きの会社がみるみる蘇る 建設業経営「利益最大化」の法則』についてお話をうかがえればと思います。前著が出た当時と比べて中西さんのコンサルティング手法が変わり、よりシンプルになったとされていました。どのあたりが削ぎ落されたのでしょうか。
中西:今までは、その会社の社員の方全員と面談し、会社の現状を聞き、毎月訪問し会議に出て、自分が司会をして皆の意識を変えていく、という流れでコンサルティングしていました。
しかし結局、社員が思っていること、会社の問題点というのはどの会社も似通っていることが分かりました。よって、今は会社に行くこと、社員と会うこと、会議に出ることはほとんどしていません。そのぶん経営者の方に、その各社共通の問題点であり改善策を最初から伝えることに特化しています。そもそも将来のためにも、会社は経営者自身で動かした方がいいわけですから。
――「建設業の会社の利益をできるだけ簡単なやり方で改善する」が本書のテーマです。それだけこの業界が利益を出すのに苦しんでいるということで、本書の内容との重複になりますが、建設業の現状を教えていただきたいです。
中西:建設業界のありようはもう何十年も変わっていません。私の新卒時と比べても、30年以上経っていますが、そのありようはほとんど変わっていません。