任務遂行は忠実に。部下の命令違反に今川義元(演:野村萬斎)は…『名将言行録』より【どうする家康】 (3/3ページ)
義元怒り、敵勢を窺ひ、速に歸るべしと命ぜしに、己が功を貪り忠義の心なし、軍法に行うべしとありければ、彼士萎れたる體にて、傍の人に低聲にて家隆の歌に、『刈萱に、身にしむ色は、なけれども、見て捨て難き、露の下た折れ』と唱へしかば、義元益々怒り、何を言ふとありしに、侍臣其由を告ぐ、義元暫く沈吟して、忽ち怒色霽れ、届かざることなれども、急猝の間に家隆の歌を思ひ出せしこと名誉なりと言て、其罪を赦しけり。
※『名将言行録』○今川義元
以上、今川義元と何某のエピソードを紹介しました。偵察を命じたのだから、偵察の任務に専念すべきであり、自身の武功を追い求めるなど言語道断。そんな義元の思想が垣間見えます。
(それでも功名を求めずにはいられないのが武士という生き物です)
NHK大河ドラマ「どうする家康」では割愛でしょうが、家臣を手足のごとく使いこなした義元の名将ぶり、野村萬斎の好演に期待ですね。
※参考文献:
岡谷繁実『名将言行録1』岩波文庫、1943年9月日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan