任務遂行は忠実に。部下の命令違反に今川義元(演:野村萬斎)は…『名将言行録』より【どうする家康】 (2/3ページ)
「わしがそなたに命じたのは、敵情の偵察であって交戦ではない。もし本当にやむなく闘ったのであれば、首級を持ち帰る余裕などないはず。それをこれ見よがしに持ち帰ったということは、わしが命じた任務より、己の武功を重んじた何よりの証拠。そのような不忠者は、我が家中に必要ない!」
とのことで、褒められると思っていたのに打首を命じられてしまった何某。このまま首を刎ねられてしまうのかと思えば、残念でなりません。
何とかお咎めを逃れようと、何某は必死に知恵を絞りました。
刈萱(かるかや)に、身にしむ色は、なけれども、見て捨て難き、露の下た折れ(したおれ)
これは平安歌人・藤原家隆(ふじわらの いえたか)の詠んだ和歌。特に映える色でもない枯れ草だけど、露のしたたる様子は、何とも見捨てがたい趣き深さがある……そんな意味です。
特に面白みもない私ですが、敵の首級をぶら下げた姿に、何か感じませんか?そんなメッセージが込められていたのでしょうか。
これを聞いた義元、「不届きながら、家隆の和歌に免じて赦してやろう」と呵呵大笑。何某の首はめでたくつながったのでした。
終わりに……或役に義元、何某に命じ斥候に遣はせし所、先陣既に戦ひ始まりし所なれば、逃れ難く鎗を交へ、首一級を獲て歸れり。