ワニの遺伝子をナマズに移植することに成功。ハイブリッドな「ワニナマズ」で感染症予防対策
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アメリカの研究チームが、ワニの遺伝子をナマズに移植しすることに成功したそうだ。ハイブリッドな「ワニナマズ」と呼べるかもしれない。
日本ではあまり馴染みがないが、アメリカではナマズが多く食されており、人気の料理となっている。
2021年には1億3900万キロものナマズが養殖されたが、養殖ナマズは病気に弱く、4割ほどが食べられることなく死んでしまうという。
この問題を解決するため、研究者らはナマズをワニ化させたのだ。ワニ化すると体が丈夫になり、感染症予防に役立つのだという。
・病気に強いワニの遺伝子を移植
激しい戦いで怪我をすることもあるワニだが、彼らはそう簡単に死んだりはしない。その秘密は血液に含まれるポリペプチド「カテリシジン」というタンパク質だ。これには抗菌作用があり、感染症からワニを守ってくれるという。
そこで米アラバマ州オーバーン大学のレックス・ダナム氏らは閃いた。カテリシジンを作る遺伝子をほかの動物に移植すれば、感染症を予防できるのではないか、と。
感染を予防するには抗生物質をつかう手もあるが、それは耐性菌を作り出してしまう諸刃の剣でもある。
だが遺伝子を移植してワニ化する方法なら、抗生物質の乱用を避けることができる。
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・ナマズにワニの遺伝子を移植することで強くなった「ワニナマズ」
そこでダナム氏ら研究チームは、遺伝子編集ツール「CRISPR」で、ワニのカテリシジン遺伝子をナマズに移植した。
するとナマズは病気に強くなり、確かに感染症の予防効果があったという。
ナマズの水槽に2種の病原菌を入れてみたところ、ワニ化したナマズは普通のものより2~5倍も生存率が高いことが確認されたのだ。
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・繁殖能力がなくなるため、生態系を乱す恐れもない
なお、ワニの遺伝子は、ナマズの生殖ホルモンに関係するゲノム領域に移植されている。このおかげで、ワニ化したナマズは繁殖することができないという。
だから万が一、ナマズが養殖場から逃げ出しても、自然環境で増えて生態系を乱してしまう心配はない。
この移植方法はナマズを感染症から守るだけでなく、不必要な繁殖も防げて、一石二鳥な方法なのだという。
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・普及させるには効率化が必要
研究チームによると、病原菌に強いワニナマズなら、養殖するための資源が少なくすみ、廃棄物を減らすことにもつながるそうだ。
ただし今のところ、ワニ化はかなり複雑な作業であるうえに、ナマズの産卵のサイクルごとに繰り返してやる必要があるそうで、効率的な方法を模索する必要性がありそうだ。
この研究の査読前論文は『bioRxiv』(2023年1月5日投稿)で閲覧できる。
References:via-crispr-method-protect-against-infection.htm" target="_blank" title="" rel="noopener"Catfish Inserted With Alligator Gene Via CRISPR Method to Protect Them Against Infection | Science Times / Scientists use CRISPR to add alligator gene to catfish - Big Think / written by hiroching / edited by / parumo
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