理解できる?”鉄道信号機の恋愛”を描いた宮沢賢治の短編童話「シグナルとシグナレス」が実にシュール (2/3ページ)
シグナルの後見人を務める電信柱が、シグナレスに声をかけたことを咎める場面
シグナルは東北本線で勤務する金属製の信号機、シグナレスは軽便鉄道で勤務する木製の信号機。身分違いの恋心に葛藤しながら惹かれ合う二人の様子が、何ともユニークに描かれます。
「もちろんいけないですよ。汽車が来る時、腕を下げないでがんばるなんて、そんなことあなたのためにも僕のためにもならないから僕はやりはしませんよ。けれどもそんなことでもしようと言うんです。僕あなたくらい大事なものは世界中ないんです。どうか僕を愛してください」
※本文より
いよいよ互いの想いが通じあい、婚約の証として結婚指輪(エンゲージリング)の代わりに環状星雲(フィッシュマウスネビュラ)を交わした二人。
しかし周囲の反対によって結婚を阻まれ、二人は駆け落ちを考えます。が、いかんせん信号機ですから一歩たりとも動けません。
そんな二人がある深い霧の夜、互いの顔も見えずに悲しんでいると、倉庫の屋根が二人におまじないを教えました。
「そうか、ではおれが見えるようにしてやろう。いいか、おれのあとについて二人いっしょにまねをするんだぜ」
「ええ」
「そうか。