「サメって意外とおとなしいんですよ!」寿し まつもと 松本剛「サメを愛するお寿司屋さんの巻」珍談案内人・吉村智樹のこの人、どエライことになってます!

日刊大衆

寿し まつもと 松本剛
寿し まつもと 松本剛

 関西に生息するアヤシくてオモロい人節電たちに、大阪出身・京都在住の人気ライター・吉村智樹が直撃インタビュー!

■店内の水槽でサメが回遊!?今、大阪で話題の絶品寿司屋

 創業して53年、東大阪にある『寿し まつもと』は「とびきり新鮮なネタが味わえる」と評判が高い人気の寿司店だ。

「祖父が魚屋だった関係で、和歌山などから、いい魚が手に入るんです。代々、魚の鮮度にはこだわっています」

 こう語るのは3代目の松本剛さん(47 )。実は、この店の注目すべき点は、寿司のおいしさだけではない。店の軒先や天井に設置されているのは、なんと! 大きなサメのオブジェだ。

 極めつけは足元。床に深く掘られた水槽では、ネコザメ、ドチザメ、エイラクブカの3種類のサメが回遊しているではないか。

 本物の海水を2トンも使うほどの大きな水槽の中で、サメが勇壮に行き来する姿は圧巻。まるで水族館だ。

「このサメは、うちのペットなんです。お客さんはエサをやったり、なでたりして、かわいがっています。意外とおとなしいので、触れても噛みつかないんです」

 そう言ってサメにエサを与えながらジョーズ、いや、上手に「よしよし」と頭をさする松本さん「サメって、こんなに人に懐くのか」と驚かされる。

 エサにはイカなど「寿司ネタの余りもの」を与えているという。おとなしいうえに食品ロス問題も解消する、実に優秀なパートナーである。

 松本さんが店内でサメを飼い始めたのは約20年前。子どもの頃からサメが大好きだった。

「床の水槽は、もともとは祖父が大阪で初めて施工した掘り込み式の生け簀だったんです。2代目の父が魚を仕入れたとき、おまけにサメを1匹もらってきましてね。生け簀の中で観賞用に泳がせていました。

 僕は、そのサメを眺めるのが大好きで、“自分の代になったら、サメを、ちゃんと飼おう”と決めていたんです」

■サメを飼いだして客層は次第に変化

 念願かなってサメの飼育を始めた彼。大切に育てているので5年以上も生きるサメが多く、中には10年を超えて客に愛された、ご長寿ザメもいたのだそうだ。

「サメを飼うようになってから次第に客層が変わってきました。それまで、うちは高級店というイメージが強く、会社の接待などに使われる場合が多かったんです。
ところが、この頃はファミリー層が増えました。サメ柄の服を着たお子さんがサメの図鑑を抱えてやって来る。まるで、幼い頃の自分を見ているみたいです」

 狂暴なイメージがあり、パニック映画にも、たびたび登場するサメ。反面、災難を除ける縁起がよい生き物とされ、中世ヨーロッパでは、貴族たちがサメの歯を食卓に置いて尊んでいたという。

 海洋ロマンがあふれる店で、サメを観賞しながら絶品の寿司を食べれば、幼い頃に抱いた冒険心がよみがえってくる。

よしむら・ともき「関西ネタ」を取材しまくるフリーライター&放送作家。路上観察歴30年。オモロイ物、ヘンな物や話には目がない。著書に『VOW やねん』(宝島社)『ジワジワ来る関西』(扶桑社)など
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