ミケランジェロが助手にお使いを頼むときに持たせたイラスト付きの買い物リスト
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中世の時代に、食料品の買い物をするのは大変だったようだ。今のようにスーパー1か所で済むわけではなく、パンならパン屋、野菜なら八百屋、お酒なら酒屋といろんなお店を回らなければならない。
買い忘れがないように買い物リストを作る必要がある。15世紀から16世紀に生きた、ルネッサンス最盛期の偉大なる芸術家、ミケランジェロですら、それほど複雑ではない買い物リスト問題に直面していたようだ。
助手を市場へ行かせて、必要な物を買って来てもらわなくてはならず、文字の読めない助手のため、イラストも描いていたようだ。
ミケランジェロが自ら書いたものは、今日ほとんど残っていないが、たまたま助手に持たせた買い物リストが残っていたようだ。
・助手にお使いを頼んだ時に渡したミケランジェロの買い物リスト
アメリカの作家のジョン・アップダイクは、かつて「偉大な物事のすばらしいところは、小さなことの卓越性の上に築かれる」と書いていてる。
ミケランジェロの『ピエタ』、『ダビデ像』、『最後の審判』、『サン・ピエトロ大聖堂』などの数々の業績と、地味だけれど、一見してすぐにわかるこのすばらしい食材リストの説明とを比べてみると、こうした観察は理想的な説得力といえる。
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● / image credit: Casa Buonarroti / Wikimedia Commons
普段私たちが走り書きしている買い物リストと基本的に変わらないものだが、ミケランジェロの走り書きには、職人の実用的な精度と、芸術家の才能の両方がいかんなく網羅されていることがわかる。
「市場に買い物に行かせた助手は、読み書きができなかったので、ミケランジェロは買ってくる物をイラストにしたのです」シアトル美術館のスティーヴ・ドインは語る。
ニシン、トルテッリーニ(パスタ)、ウイキョウのスープ2つ、アンチョビ4つ、渋ワイン4分の1本を、ペンとインクでマンガ風にさくっと(それだけにすばらしい)描いている。
真のルネッサンス人は、さまざまなことに興味をもつだけでなく、並外れたものにも、ありふれたものにも同じように自分の才能を発揮するものなのだ。
References:Michelangelo's Illustrated Grocery List | Open Culture / written by konohazuku / edited by / parumo
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