マヤ暦の仕組みがついに解読される。819日暦は45年間の惑星周期と一致していた
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古代メソアメリカで栄えたマヤ文明は、天文学や数学に優れ、独自の文字や暦法を発展させた。その暦法の中には、今でも解明されていないものがある。マヤの碑文に刻まれていた、819日周期サイクルのマヤ暦もその1つだ。
この819日暦は、長いこと学者たちを悩ませてきた。だが、新たな研究によって、これが45年間の惑星周期とどのように一致するかが明らかになったという。
この暦はこれまで誰も考えつかなかった、惑星の合同周期と関係する、遥かに広い視野を必要とする手の込んだ暦だったのだ。
・マヤ暦の819日周期の謎
『Ancient Mesoamerica』誌に発表された研究で、テュレーン大学のふたりの学者は、研究者たちがこれまでよりもずっと広い視野をもたない限り、819日で数える暦の謎を説明することはできないと強調した。
これまでの研究では、819日で数える惑星のつながりを示そうとしてきたが、その4つの部分から成る色方向スキームでは短すぎて、目に見える惑星の会合周期にうまく合わないと論文著者は書いている。そしてこう続ける。
暦の長さを819日の20周期で考えることで、目に見えるすべての惑星の会合周期が、より大きな819日暦の測点と一致するパターンが現れる
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・819日暦は20周期、45年の広範な単位で暦に組み入れられていた
古代マヤの文化は、さまざまな暦を生み出したが、学者たちをもっとも悩ませたのは、象形文字で書かれたものの中から見つかった819日暦だった。
専門家たちは長いこと、この暦は惑星の動き、とくに、重要な惑星が地球から見て、天空の同じ位置に戻ってくるように見える会合周期と関係があると考えてきた。
しかし、惑星の動きはそれぞれまったく異なり、複数の惑星を819日というスパンに一致させるのは、無理があるように思われた。
だが、819日を20周(×20)と考え16,380日(約45年)にすると、これがぴたりとはまるのだ。これはマヤ暦(ツォルキン)と一致する260の倍数だ。
つまり、マヤ人は惑星配列について45年という広範な単位でとらえ、それをコード化して暦に組み入れたのだ。
水星がいつも、複雑なタイムラインの起点となったのは、117日という水星の会合周期が、819日にうまく合致していたからだ。
そこから、819という数字を外挿(ある既知の数値データを基にして、そのデータの範囲の外側で予想される数値を求めること)し始める必要があるが、819日の20周を図にすると、すべてのカギとなる惑星を結びつけることができる。
火星は、全体の長さのきっかけになるかもしれない。会合周期は780日で、21周期で16,380日、つまり819日の20周期とぴたりと一致する。金星は、7周期で819日×5、土星は13周期で819日×6、木星は39周期で819日×19に一致する。
819日で数える暦を作り出したマヤの天文学者は、対象をひとつの惑星に限定するのではなく、目に見える惑星の会合周期すべての予測や、ツォルキン(マヤの暦)やカレンダー・ラウンド(メソアメリカの暦の周期)における惑星のサイクルとの一致点として使うことができる、より大きな暦体系を想定していたのだ。(論文著者)
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マヤ暦は、古代から現代まで続くメソアメリカ文化の知恵と美しさを表すものである。マヤ人は自然や宇宙と調和することを重視し、時間を循環的に捉えた。
彼らの暦は、私たちにも多くのメッセージを伝えてくれるかもしれない。
References:How the Mayan Calendar Works: Scientists Finally Cracked the Code / Anthropologist pair solve the mystery of Mayan 819-day count / written by konohazuku / edited by / parumo
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