セックスの価値観から生まれる、切ないすれ違い【あなたがしてくれなくても#3】 (3/4ページ)
価値観というより、正しくは時を経て自ずと関係がそのように変化した、でしょうか。
楓は少し違っていて、「セックスは疲れを伴うもの。(子どもができることで)築き上げたキャリアを失うリスクをはらんでいるもの」と、家庭に加えて夢(仕事)という要素が加わります。
「夫婦とは言っても結局他人」という発言の通り、家庭よりも夢の優先順位が高く、自己実現を優先した結果、家族やセックスの優先順位が下がってしまったのでしょう。新名ほどの相手でも信頼しきれないのは、楓の過去に何かがあったからなのでしょうか。
好きだけではうまくいかない、お互いの愛、家族、セックスの形の違いが浮き彫りになった3話でした。
■2組の夫婦の対比の描写がエグい
似たようなシチュエーションで各夫婦のドラマが対比のように描かれる場面も見どころですよね。陽一が罪滅しに買ってきた、スーパーで売っていそうな安いバラを受け取って、子どものように喜ぶみち。
一方、新名が花を一つひとつ指定してこだわった大輪の花束を横目に、「夫は所詮他人」と笑顔ひとつないまま仕事に没頭する楓。配偶者への気持ちの熱量の違いがまざまざと現れるシーンでした。
キスにおいても面白かったですよね。偶然にも同じ日に違う相手とキスをしてしまう、陽一とみち。陽一は結衣花をただ性のはけ口にするかのような激しいキス。一方、新名とみちは相手を思い、様子をうかがっているような控えめで優しいキス。
その他にも、料理の場面でレスに悩む二人の物悲しさが描かれていました。結婚記念日の出来事を引きずりながら、楓のために夕食を作ったものの、手もつけてもらえない新名。作り置きはタッパーからお皿に必ず移す、洗い物を増やすことをいとわない丁寧な暮らし系男子なのに、冷たいままタッパーでやけ食いしていました。