東大アラサー女子に学ぶ、30代以降の人生の歩き方『そろそろいい歳というけれど』書評 (2/4ページ)
その理由のひとつは、彼女が東大卒だったから。
東大卒だからって恋愛強者になれるわけじゃないと思う人もいるかもしれないけれど、私は昔から彼女の言語化能力に一目置いていた。恋愛とか結婚とか友達の彼氏がダサいとか、一言じゃ言えないモヤモヤを小説のようにすてきな表現ですっと伝えるのが上手な人だった。だから、昔は答えの出ない物事を「諦める」ために、参考にしている部分があった。
でも、本を少し読んでみると分かる。これは、読者に共感してヨイショして「あなたは大丈夫だよ」なんて、助けもしないくせに優しい言葉だけかけてくる本じゃない。ある種、辛辣。しかしこの本は、東大卒ならではの「合理的な人生改善メソッド本」なのだ。
チャプターは「恋愛」「出産」「お金」「キャリア」「美容」の5つを軸に進む。どれも20代以降のすべての人に関わりのある話だ。ジェラシーくるみさん自身がアラサー付近なので、本はアラサーから見た目線で進んでいく。その目線から見える悩みは、同世代の私から見る悩みと全く同じ。
「結婚したいけどいい人いない」「自分の理想が高すぎて恋がうまくいかない」「出産した友人と疎遠になった」「そもそも高齢出産になりそう」「彼がプロポーズしてくれない」などなど、自分か友人かがこれまでに一回は言っていたことのある悩みばかり。だから「死ぬほど分かる〜」って何回も独りごちたりしていたけど、それだけではない。この本は、共感じゃ終わらない。
「結婚したいけどピンとくる相手がいない問題」の解決方法とか、自分のどこが悪いのかなんて、うまく説明できる人がどれくらいいるだろう。ジェラシーくるみさんはそんな女の横っ面を華麗に、痛くない程度にビンタする。「人が“自分に合う人”を語るとき、イメージしているのは“そこそこイケてる私に見合う人”だ」と。
思ってもみない方向から来るビンタ、避けられない。ポジティブに励まされているわけでもないし、事実の指摘だからグウの音も出ない。
彼女の深い人生経験をもとに、本では彼女の周りにある「成功体験」も語られていく。私が取らなかった選択肢を取った人が現実的にどんな人生を歩んでいるのかを知る。