東大アラサー女子に学ぶ、30代以降の人生の歩き方『そろそろいい歳というけれど』書評 (3/4ページ)
ウィットに富む文章のおかげで、成功している人に対して卑屈になってしまう私のような人間でも、本を閉じずに済む。
そしてところどころ、合理で解決できる問題はきちんと箇条書きで「解決方法」が書かれている。同棲時の家事バランス問題やマッチングアプリで気をつけるべきこと、人生設計の組み立て方……もやっとすることは「自分は本当はどう思っているのか」を考えさせ、明確に課題があるものは「最終的に自分が得する程度の解決方法」が書いてある。ここまで親切に書いてくれているのに実践しなかったら、私はマジでバカのままなんだなと思わせてくる。
■「変われ」なんて言われなくても、最悪を避けるための行動はできる
多分、ジェラシーくるみさんは根っからのパリピではないのだと思う。だからこそ、悩みだけでなくそこに付随する欲望とか、斜に構えた目線も分かっている。「昔は25歳までに結婚したかったけど、今はもう憧れない」とか「婚姻届の写真をSNSで見ると、ちょっと鳥肌が立つ」とか、よじれた先にある悩みにもフォーカスしてくれる。
他人をバカにしたって、自分が成長できるわけじゃない。そうやって最低限HPを回復しても、何か解決できるわけじゃないということを思い出す。「合理的な人生改善メソッド本」とは言ったけど、本のほとんどは「こういう時はこうしろ」と書いていない。どちらかというと「こういう考えだから、そういった結論にいたる」という思考に焦点があたっている。
「こじらせアラサー」という言葉があるけれど、こじらせという言葉があまりにも便利すぎて、友達に何か相談しても「こじらせてんね〜」で終わりにされる話。ジェラシーくるみさんは、そのこじらせの理由を言及してくれる。
これまでの自分のあらゆる行動が、今の自分を作っていると実感する。こじらせにも理由があるし、そこに至る経験値がある。無駄に経験値があるゆえに起こりやすいミスや、逆に心配しすぎる物事もあるということも知る。
本を読み終わった瞬間、劇的に人生が変わるわけじゃない。なのに、納得感があるのは「自分がなんでこじれちゃったかが分かる」からだと思う。