2万年前のペンダントから古代女性のDNAの回収に成功。人類の歴史の解明につながる可能性 (2/4ページ)
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シベリアのデニソワ洞窟から見つかった鹿の歯でできた穴のあいたペンダント / image credit:Max Planck Institute for Evolutionary Anthropology・わずかな遺伝物質の痕跡(環境DNA)だけで、生物の特定が容易に
事実上、すべての生物は、細胞が剥がれ落ちて分解すると、周囲に微量なDNAの痕跡を残す。
近年、研究者たちは、空気中や土壌中の環境DNAの名残りを見つけることが驚くほど得意になった。
わずかな量の遺伝物質の痕跡を使うだけで、従来の技術では追跡がほとんど不可能だった、絶滅の危機に瀕した個体群の存在を検出できるようになったのだ。
大昔にその地域から移動したり、完全に絶滅してしまった種の名残りすら発見することができる。
2022年12月、国際的な科学者チームが、環境DNA解析を行って、200万年前にさかのぼる最古の遺伝物質の解読に成功した。
環境DNA抽出に関わる最新イノベーションでは、歯や骨など多孔質な人工物に、特殊な科学物質を浸透させて、閉じ込められていたDNAの断片を洗い出した。
「私たちは、清潔な研究室の中に古代遺物用の洗濯機を作ったと言えるかもしれません」マックス・プランク研究所の進化人類学者エレナ・エッセル氏は言う。
「最高温度90℃でこれら遺物を洗浄することによって、遺物を傷つけることなく、その洗浄液からDNAを抽出することができるのです」
長年の試行錯誤の末、この洗濯機技術は、ロシア、シベリアの洞窟で見つかった鹿の歯のペンダントに応用された。
「ペンダントから回収された人間のDNAは、とてつもない量でした。