まあいいか。生きてるし。大人がメンブレした時の処方薬『がんばらないことをがんばるって決めた。』を読んでみた (2/3ページ)

マイナビウーマン

本には彼女の柔らかいツイートが「書かれるに至った経緯」とも言えるような、考えるOLさんが日常で感じたことが書かれている。名前にもあるようにOLで、社会人である彼女が日々感じる疲れや生きにくさはとてもリアル。どのページを開いても「分かる〜」でしかない。

考えるOLさんはSNSでも発信しているけれど、同じようなことを伝える言葉も、本で見るのと、SNSで見るのでは印象が違うように感じた。前述したようにSNSでは有象無象の言葉が流れてくるので、あたたかい文章に触れたとしても、次の誰かの言葉にかき消されることがよくある。

情報もコスメや服と同じで、ありすぎると逆に疲れてしまうことがよくある。選択肢が多すぎると一つを吟味できないし、全部本気で好きになれずに終わってしまう。でも本なら、一人の人間の言葉しか入ってこない。

SNSで「どっちの意見」も聞いていると頭がすごく疲れるけど、自分と近い人の話をずっと聞いているだけなら疲れない。そうか、本ってこういう時のためにあるんだなあ。SNSは自分にも発言や思想の自由があるはずなのに、相手もこの広いインターネットのどこかにいると思うと、どこか落ち着かないのだ。

考えるOLさんの日々は、何者でもない自分の日々と似ている。仕事で関わるクライアントの対応で仕事が嫌になったり、友人の生活が羨ましくてモヤモヤしちゃったり。そういうことを感じるのは自分だけではない、とこんなに安心できるのは、自分をモヤモヤさせる可能性のある人間がここにいない、と確信できるから

■自分の気持ちを大事にしたくなる

この本は、インターネットでよく見かける「改善メソッド」に疲れている人にもぴったりだ。いわゆるメソッド本ではないので、本を読んだら何かが分かるわけではない。だからこそ、この本は読んだ人がどんな感想を持つのかが大切だと思う。その感想こそが、その人が本を読んで分かったことなのだ。

私の場合は、1日の終わりに残るライフポイントが、今までより10ポイント高くなった。文字数も多くないので、嫌なことがあった日はこの本を手にとって読み返す。

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