家計を守る生活の知恵!今年に入って食品2万品目の値段がアップ!お金がザクザク貯まるプロの技「値上げ時代の楽チン節約術」15

ムダ遣いを控えているつもりでも、なぜか増えない財布の中身。もっと簡単に得する賢人の裏ワザを公開!
昨年から本格化した値上げラッシュ。その勢いは、とどまることを知らない。
「帝国データバンクが、食品主要195社を対象にした調査で、6月に3322品目、7月に1884品目の値上げが予定されていると分かりました。これで、今年1月からの値上げ品目数は、累計2万品目を突破する見通しです」(経済誌記者)
■岸田文雄首相「物価高に打ち勝つ賃上げ」は
値上げによる家計へのダメージが続く一方で、岸田文雄首相が掲げた“物価高に打ち勝つ賃上げ”は、実現できていない。
「今年の春闘の第4回回答集計で、平均賃上げ率は3.69%になりましたが、総務省が発表した今年3月の消費者物価指数の“生鮮食品を除く総合”も、前年同月比で3.1%上昇。つまり、実質賃金はほとんど上がっていません。また、大企業と違って、賃上げできない中小企業も数多くあります」(前同)
とはいえ、コツコツ努力する節約は、もうウンザリそんな読者のために、今回は、ちょっとした工夫でお金が貯まる“楽チン節約術”を、プロに伝授してもらった。
■家計に重くのしかかる食品類の値上げ
まずは冒頭で述べた食品類の値上げだが、家計に重くのしかかっている。
「ハム、ソーセージなどの加工食品をはじめ、乳製品、調味料、酒類が、すでに値上げしており、さらに、6月にはカップ麺などが再び値上がりする予定です。これにより、2人以上の世帯では、年間2万6000円ほど負担が増すという試算が出ています」(同)
では、どうすればいいのか。
■ファイナンシャルプランナー長尾義弘のアドバイス
家計見直しに詳しい、ファイナンシャルプランナーの長尾義弘氏は、食品のまとめ買いを推奨する。
「スーパーなどへ行く頻度を減らすことで、“ついで買い”をする頻度が減り、自然に冷蔵庫の中が整理されます。すると、同じ商品をダブらせたり、食品を腐らせてしまったりという、ムダまで減らせます」
ちなみに、食品のまとめ買いをする際は、1週間分を目安にしてほしい。
「週末に冷蔵庫を空にしましょう。その時点で余った食品があれば、それは余分な買い物だったということ。さらに、冷蔵庫の中身を減らせば、冷気の循環がよくなり、節電にもなるので、一石二鳥です」(前同)
■100均グッズは浪費の証拠
また、買い物に行く途中も油断はできない。手軽に日用品が購入できて、節約の味方になりそうな100円ショップだが、フラッと立ち寄るのはご法度だ。
「経験上、100円ショップの品物が部屋にたくさんある人は、浪費癖があり、貯金できない傾向が見られます。100円ショップは安くて魅力的な商品が多く、ムダ遣いしがちなので、目的がない限りは足を踏み入れないこと」(同)
最近は100円を超える商品が増えたこともあり、ここ10年間で、100円ショップの一人当たりの購買額は1.6倍になったというデータもある。衝動買いの誘惑に負けないよう、適度に距離を置きたい。
■クレジットカードなどキャッシュレス決済を
そして、節約を機に、思い切って現金支払いをやめてしまうのも手だ。
「クレジットカードなどのキャッシュレス決済は、現金のような実体がないため、ムダ遣いを誘発すると思われがちです。でも、カード会社『JCB』の調査で、キャッシュレス派の貯蓄額は、現金派より約2.4倍も多いことが判明しました」(長尾氏)
この点について、経済アナリストの森永卓郎氏は、こう言う。
「カード明細を確認する習慣を身につければ、余計な支出にすぐ気づけます。買い物はもちろん、スマートフォン、サブスクリプションなどの毎月の支払いも、1枚のカードにまとめておけば、家計簿の代わりにもなり、節約面で大きなメリットです」
■ポイントサービスの活用
さらに、節約アドバイザーの丸山晴美氏は、現金にはない魅力として、キャッシュレス決済につくポイントサービスを挙げた。
「たとえば、『ローソン』の公式アプリには、指定のポイントを、新商品の“お試し引換券”に変換できるサービスがあります。そういったポイントサービスがあるカードを選べば、使えば使うほど得をします」
■“ラテマネー”が原因
さて、節約の余地は、毎日の生活にも隠れている。特に、暑くなるこれからは、喉が渇いて、飲み物を買う機会が増えやすい。
「高額な買い物をしていないのに、なぜか、お金が貯まらないと悩む人の多くは、“ラテマネー”が原因です。これは、喫茶店やコンビニで購入するコーヒーのような、小さな支出を指す言葉で、これを抑えるのが節約の肝です」(女性誌記者)
25年ぶりの値上げで、缶コーヒーが150円台になった今、その重要度は高まっている。
「缶コーヒーを毎日買うと、年間5万4750円の支出になります。これを抑えれば、夫婦で温泉旅館に泊まれるくらいの節約になるので、水筒を持ち歩くといった工夫をしてみては」(長尾氏)
もっとも、ラテマネーのように長い間、節約を続けるものには、ほどよい息抜きが必要だ。特に、左党は無理しないこと。
■酒は飲まないのが一番の節約だが
「お酒を飲まないのが一番の節約ですが、我慢を続けたストレスで、いずれ限界を迎えます。そこで、1000円で酔える“せんべろ”の店が検索できる『せんべろnet』などで、安い店を探して、たまに外飲みを楽しみましょう」(丸山氏)
■自転車は一石二鳥
日々の行動が節約につながるものは、他にもある。前出の森永氏は、自転車をフル活用してほしいという。
「ガソリンなどの燃料費の高騰や、この春には電車賃も値上がりしているので、交通費の節約になります。さらに、自転車に乗ることで健康寿命が延びれば、医療費も減らせるんです」
まさに一石二鳥だが、特に恩恵が大きいのは、医療費の削減だ。
「『自転車総合研究所』の調査によれば、40歳以上の人が、1日往復2㌔の自転車移動を年間246日継続した場合、4万7232円もの医療費削減効果があるという試算を出しています。中高年にとって、やらない手はありません」(スポーツインストラクター)
また、住まいに手をかけることも節約につながる。
「部屋が片づけられず、散らかった状態の人は、すぐに整理整頓をしましょう。前述した冷蔵庫と同じく、似たような商品を2つ、3つと買ってしまうムダ遣いを防げますよ」(長尾氏)
■不要品の整理でお宝ザクザク
さらに、モノがあふれている部屋には、お宝が眠っている可能性もあるという。
「円安や原材料の高騰で、ハイブランド品の価格が高騰しており、それにともなって、中古のブランド品の需要が高まっています」(丸山氏)
使わなくなったカバン、キーホルダーなどの小物が高く売れるかもしれない。
「また、昭和レトロブームが起きたことで、昔の家庭用ゲーム機やレコードも需要があります。『メルカリ』などのフリマアプリで、相場を調べてみるのも楽しいですね」(前同)
意外なところでは、お酒が高く売れるとか。
「未開封の新品が理想ですが、『山崎』『響』『ロマネ・コンティ』といった高級酒の空き瓶も人気です。即日現金で高価買取をうたう業者があるくらいなので、左党は要チェックです」(同)
最後に、夏本番を迎える前に、エアコンや冷蔵庫などの古い家電を買い替えておきたい。
「10年以上前の家電と、最新の省エネ家電では、節電効果が違うものも。環境省の運営サイト『しんきゅうさん』で、新しい家電に買い換えた場合のお得額が診断できるので、それを参考にしてください」(同)
昭和世代にとっては、壊れるまで使い続けたほうが節約できそうな気もするが、「夏のハイシーズンに故障すると、修理や設置に時間がかかるので、かえって高くつくことも。買い替えるなら今のうちです」(同)
プロ直伝の節約術を駆使して、値上げ時代を生き抜いてほしい!
■まだある!楽チン節約術
安い食材ばかり選ばない 売場で安い食材を選んだり、スーパーをハシゴしたりしても、手間のわりに節約になっていないことが多い。自炊できるなら、食材は好きなものを使って、代わりに外食を控えたほうが得。
レシートは持ち帰る ポイント残高や割引クーポンが掲載されていたり、捨てる前に見返せば、ムダな買い物をしなかったか反省できたりするレシートは“情報の宝庫”。受け取らないのは、もったいない!
欲しいものを我慢しない お金を貯めようと思うあまり、欲しいものを我慢すると、その反動でムダ遣いしてしまうことも。むしろ、欲しいものを買うために、お金を貯めようと工夫するのが、長続きするコツ。
「送料無料」にこだわらない ネット通販では「一定金額を超えると送料無料」になることが多い。ただ、送料がもったいないからと、それほど必要ないものまで買うのは本末転倒。送料は必要経費と割り切ろう。
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携帯料金見直しは助けを借りる 複雑でどの通信会社のプランが安いか分かりにくい、携帯・スマホ料金。見直すなら、一部の家電量販店などで行われている「見直しサービス」が便利。利用時には料金明細を持参しよう。
月に1回、通帳に記帳する 家計簿をつけるのが面倒という人でも簡単なのが、通帳を活用した収支管理。給料日や年金の支給日などを決めて、ATMで記帳すれば、その月にいくら使ったかが計算できる。