間違った節電の常識を見直そう!電気代「6月値上げ」を乗り切る「命と金を守る節電」
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夏の到来を前に、嫌なニュースが飛び込んできた。
「5月16日、経産省は、電力大手7社の家庭向け電気料金の値上げを認可する方針を発表しました。各社は6月1日から料金を見直す予定で、値上げ幅は最大42%。一般家庭の電気代に換算すると、月1000円超の負担増の見通しです」(経済誌記者)
ますます暑くなるこれからの季節、電気代が上がるのは大ダメージだ。つい“エアコンを使うのを控えよう”なんて考える人もいるかもしれないが、それは絶対に避けてほしい。ファイナンシャルプランナーの丸山晴美氏が言う。
「節電のためにエアコンを我慢するのは、昭和時代の話。猛暑による熱中症で命の危険を招くので、絶対にやめましょう。エアコンをはじめ、今の家電は省エネ機能が大幅に進化しています。大切なのは、正しく使って節電につなげることなんです」
ムダを省くことで恐怖の値上げを乗り切り、快適な生活を続ける。そのために節約のプロから“節電の裏ワザ”を伝授してもらおう。
まず、これからの季節はやはり、「エアコン」の使い方が電気代節約の大きなカギになるという。
「通年で最も電力を消費するのは冷蔵庫ですが、夏シーズンはエアコンの消費量が上回ります。夏の日中の消費電力の割合を調べたところ、エアコンが50%を占めていたというデータもあるので、重点的に抑えたいですね」(前同)
確かにエアコンの節電方法はよく耳にするが、実は間違っているものも少なくない。たとえば、「設定温度を28度にする」も、そう。
節約アドバイザーの和田由貴氏は、こう語る。
「誤解されがちですが、節電習慣などで推奨される28度は、室温の目安です。冷房の設定温度を28度にしてしまうと、場合によっては、熱中症を招く危険があります。室温計で測りながら、快適に過ごせる範囲で、冷やしすぎない設定温度を心がけてください」
■帰宅後、すぐにエアコンをつけるのは絶対NG
ただし、冷房の温度を1度上げると、約10%の節電になるといわれているので、高く設定するに越したことはない。そのためには帰宅後、すぐにエアコンをつけるのは、絶対NGだという。
「エアコンは、室温を設定温度に下げるまでに最も電力を消費します。つまり、室温を下げてから使用したほうが節電になる。なので、帰宅したら、まずは換気をして、室内にこもった熱い空気を逃がしてください」(前出の丸山氏)
見直したほうがいい節電術は他にもある。それは、「エアコンは、つけっぱなしがお得」というものだ。
「空調メーカーの『ダイキン』によると、9時〜18時の間に35分以上、18時〜23時の間に18分以上の外出をする際は、切ったほうが節電になるというデータがあります」(前同)
梅雨のジメジメした気候では、エアコンの「除湿」を使う人も多いだろう。「除湿は冷房よりも節電になる」という説もあるが、これも間違い。
「実は、除湿より冷房のほうが湿気を多く取り除けます。除湿運転は、室温をあまり下げずに湿気を取り除くのが特徴で、冬の部屋干しなどで活躍する機能。機種によっては、冷房運転より電気代が高いので、あえて使う必要はありません」(前出の和田氏)
さて、エアコンで部屋の空気を冷やしたら、それをキープすることも、節電には極めて重要となる。
「カーテンを閉めて、直射日光が部屋に入らないようにしてください。すると、30度設定でも快適な室温が維持できます」(丸山氏)
実は、意外だが、「エアコンの室外機」も、日差しを避けることで節電につながるのだという。
「室外機の上にひさしを作って日光が当たらないようにすると、冷房機能が向上します。ただし、木の枠などで室外機を直接囲うのは逆効果。熱風が排出されず、冷房が効かなくなるので要注意です」(前同)
間違ったエアコン節電術がある一方、定説となっている「こまめなフィルター掃除」は、電気代節約の最重要事項。2週間に一度をめどに、確実に行いたい。
「『ダイキン』は、エアコンのフィルターを1年間掃除しないと、約25%の電気代のムダになると発表しています。フィルターがホコリで目詰まりを起こして、冷房の効きが悪くなるそうです」(前出の経済誌記者)
ちなみに、“おそうじ機能”がついたエアコンでも、過信は禁物だという。5月29日発売の『週刊大衆』6月12日号を読んで、賢い節電でお得に暮らそう。