人はなぜ、年を取るにしたがって声質が変わってくるのか?声を若く保つ秘訣は?
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どんなにハリのある艶やかな声の持ち主だったとしても、中年にもなれば声色は落ち着きと深みを帯びはじめ、やがて低い声へと変わっていく。
歳をとるにつれて身体が衰えるように、声を出す「声帯」もまた老化する。だから声質がだんだんと変わってくるのは仕方がない。
そうは言っても、誰だっていつまでも若く美しい声を保ちたいのが心情だ。幸いなことに、声を若く保つためのアンチエイジング法ならあるそうだ。
・私たちの声はどうやって作られているのか?
普段何気なく出している声は、「声帯」によって作られている。
声帯は「喉頭」(男性なら喉仏に触ってみよう。それが喉頭だ)にあるのだが、じつはここは気管の手前にある空気の通り道だ。
そのおかげで、肺から吐き出される空気がここを通るときに、声帯が振動する。それによって出る音が声だ。
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だが、私たちがあれほど多種多様な音声を出せるのは、声帯がとても複雑な作りをしているからだ。
この器官は、「声帯筋」と「声帯靭帯」、それらをおおう「粘膜」で構成されており、約17もの筋肉で位置や緊張をコントロールできる。これが声の豊富さの秘密だ。・女性と男性で声が違う理由は?
小さな男の子と女の子で声に大して差がないように、子供の頃は声帯が出す音にほとんど違いはない。ところが思春期になると、ホルモンの影響でのどの作りが違ってくる。
たとえば、男性なら喉仏が目立つようになり、声帯が長くなる。一方、女性の声帯は、思春期をすぎると20~30%細くなる。
その結果、大人の声帯の長さは男性で約16mm、女性で約10mmだ。女性の声が男性より高いのは、声帯が短く、薄いためだ(あくまでも一般論で、男性顔負けのディープボイスを出せる女性もいる)。
このように声帯の作りを変えるホルモンは、大人になってからも声を左右する。たとえば、女性の場合、生理の周期が声質に影響する。
女性にとって一番きれいな声が出るのは「黄体期」だ。この時期、声帯の粘液がもっともよく分泌されるため、声帯の調子が良くなる。
ところがそれとは反対に、生理になると声帯のあたりが充血して、声が出にくくなる。
面白いことに、ある研究によると、避妊用ピルを服用する女性だと、排卵しなくなるため、声質の変化が少ないらしい。
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・年を取ると声質が変わるのは老化のせい
歳をとれば身体はだんだんと老化するが、それは声帯にも言えることだ。
たとえば喉頭にミネラルが増え始め、硬くなる。軟骨というより、骨に近くなるのだ。男性の場合、こうした変化は早ければ30代からはじまり、声帯から柔軟性が失われる。
声帯を支える靭帯や組織からも柔軟性がなくなり、さらには声帯を動かす筋肉も衰える。
老化が見られるのは、のどだけではない。肺の筋肉も衰えて、声帯を振動させるために必要な空気を吐き出す力が弱くなる。声帯を守ってくれる粘液の量も減る。
そんなわけで、若い頃は艶やかでハリのある声の持ち主だったとしても、やがては低くしわがれた声に変わっていくのが一般的だ。
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・声に良くない習慣は喫煙と飲酒
老化は誰にも平等に訪れることだが、テイラー教授によれば、声に悪い習慣というものもある。だから、声をいつまでも美しく保つための秘訣は、できることなら悪い習慣を避けることだ。
たとえばタバコやアルコールは炎症を引き起こし、粘膜を乾燥させる。これは声帯にダメージを与え、声の響きを変えてしまう。
さらには喉頭炎に使われるステロイド吸入薬や血液をサラサラにする薬など、声を荒らしてしまうものもある。
筋弛緩剤も、胃酸がのどに逆流するせいで炎症や声帯損傷を引き起こし、声質を変えることがある。
ただし、これらは一時的なものなので、服用をやめれば、大抵は元に戻る。
また歌手や教師など、職業柄のどに負担をかけやすい人たちもいる。こうした人たちは、のどを酷使するあまり「ラインケ浮腫(ポリープ様声帯)」という症状になることがある。
これになると声帯に水が溜まって、しわがれた低い声になってしまう。この症状は、喫煙、飲酒が原因でなることもある。
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・声を若く保つためのエクササイズ
体を元気に保つには適切な運動が大切だが、声を守るのにも言えることだ。
適度に声帯を使い続ければ、いつまでもハリのある声を保つことができる。テイラー教授によると、実際、歌手は加齢による声の変化が普通の人に比べて少ないのだそう。
具体的には毎日大きな声で歌ったり、朗読したりすればいい。カラオケが趣味という人は、いい声帯の運動になっているはずだ。
また声帯のケアも大切だ。
しっかり水分を補給し、お酒やタバコの控える。こうすることで、声帯の衰えやダメージを抑え、大切な声をいつまでも若く保てるのだそうだ。
References:Why our voices change as we get older / written by hiroching / edited by / parumo
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