「辺鄙な山奥で見つけた老夫婦が営む飯屋。金を持っていなかった私は、他の客がいなくなるまで待ってから...」(兵庫県・50代男性) (2/3ページ)

「え!」と驚いていると、「残り物だけど食べなさい」と婆ちゃん。
そして今度は厨房の奥から爺ちゃんが「できたよ」と言って、目の前に中華そばを運んできました。 さらにポテトサラダにどんぶり一杯のご飯まで(涙)。「お金がありません」と伝えると
「冷めないうちに食べてちょうだいな」
見ず知らずの自分にここまでしてくれるなんて......。初めて「情け」を知りました。人の優しさを知りました。言葉もないまま、涙が止まりませんでした。
今まで負けてたまるかと堪えてきましたが、一気に溢れ出てしまったのです。
再び訪れると...帰り際、2人は私におにぎりを持たせてくれました。

「すぐに返しに来るから」というと、「いつでもええよ」とのこと。
一か月後、俺はお金と手土産を持ってお店に行きました。
定休日だったのか、お店は閉まっていました。それからしばらく期間が空き、お店に行かないと思いながらも、それまで以上に死に物狂いで働いていました。
その結果、何とか立て直すことができ、トラックを降ることに。縁があった会社でサラリーマンとして働き、役員職まで登り詰めました。
我が家ではこの話が語り草で、一日もあの時の御恩は忘れたことがありません。
あれから25年、あの時のサバの煮付け、中華そば、ポテトサラダ、それと爺ちゃん、婆ちゃんにもう一度会いたい......。
2人は2010年にお亡くなりになられたそうです。子供たちを連れてお店に行った際、すでに閉店していましたが、ご家族にお話を伺いました。