大手チェーン『くら寿司』中国進出で…日本の回転寿司から「消える!」ネタ7

日刊大衆

写真はイメージです
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 日本が誇る“回転寿司”に中国人が熱狂している。

「『スシロー』『はま寿司』に続き、『くら寿司』も中国へ進出。6月15日に、上海に1号店をオープンさせました。日本では一皿115円のネタが、中国では240円と値段は倍ですが、行列ができる人気です」(全国紙外信部記者)

 だが、この中国での寿司ブームが日本人の食文化を脅かす恐れがあるという。

■値上げで客が減少、海外へ

「日本では、回転寿司がビジネスとして成立しなくなる可能性もあります」と言うのは、回転寿司評論家の米川伸生氏。

「もともと回転寿司は、一皿100円で成立するビジネスでしたが、原価の高騰と円高の影響で、今はそれでは利益が出ない。結果、値上げに踏み切ったんですが、客の減少に歯止めがかからない状況です」

 そのため、大手チェーンは中国や東南アジアなど海外に活路を求めているのだ。

「進出の一番の理由は、海外のほうが日本の2〜3倍は高く売れるから」(前同)

■ウニやマグロが

 同様の理由で、寿司ネタとなる水産物も、海外への流出が止まらないという。

「寿司ブームで、中国人が、それまで食べる習慣のなかったウニのおいしさに気づいてしまった。日本からのウニの輸出も急増しており、不漁も重なって、国内の流通量は減少しています」(水産物仲卸業者)

 さらに、人気の寿司ネタ、マグロもターゲットに。

「中国でのマグロ需要はすさまじく、中国人バイヤーが静岡県の焼津港を頻繁に訪れ、大量購入しています。品質にうるさい日本人相手の商売よりも、中国との取引のほうが儲かるため、日本企業が買い負ける状況が続いています」(前同)

 人口14億人を誇る“中国人の胃袋”に吞み込まれる寿司ネタは、まだある。

■サーモンが大ピンチ

「中国で人気の寿司ネタは、なんといってもサーモン。くら寿司上海店では、サーモン関連のメニューが12種類も用意されているといいます」(商社関係者)

 一方で、ロシアのウクライナ侵攻により、養殖サーモンの確保は大ピンチだ。

「産地であるノルウェーからの空輸便がシベリア上空を飛べず、迂回を強いられているため、コストが上がったんです」(前同)

 それ以上に、危機的状況なのがイクラだという。

「養殖が主流のサーモンと違って、イクラの原材料は天然のサケから採れる卵です。2020年頃から自然界のサケは不漁続きで、イクラの取引価格はここ2~3年で約2倍に高騰しています」(前出の仲卸業者)

 さらに、以前から中国人に人気のエビも暴騰中。

「ボタンエビ、甘エビの相場は、2021年頃から2~3倍になった」(前同)

■乱獲や気候変動の影響も

 加えて、乱獲や気候変動の影響も大きい。

「日本が資源保護のために漁獲量を制限する一方、台湾は未成熟なサンマを乱獲し放題。イカも温暖化の影響で、産卵、回遊場所が北上。中国・台湾などの漁獲量が増加した影響もあり、日本での水揚げ量は激減しています」(漁業関係者)

 前出の米川氏も日本の回転寿司の危機を指摘する。

「大手は全国に600店も出店していて飽和状態。今後、国内の店舗数は減り、海外へシフトする傾向となるでしょう」

 ネタはもちろん、回転寿司も日本から消えてしまうかもしれない。

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