聴力低下は40代から!簡単1分聴力回復トレ8選【画像】あなたは大丈夫?「難聴度」チェック表
“聞き取りづらい”のは年齢のせいだけじゃない!? 衰えた聴覚がアッという間によみがえる秘術を伝授!
日々の生活で、こんな経験はないだろうか?
家族に「テレビの音量が大きすぎる」と注意されることがある。
飲みに行くと、ガヤガヤとうるさい店内では、話が聞きづらい。
人の言うことがよく聞こえず、聞き返したり、生返事でごまかすことがある。
実はこれ、すべて「難聴」の典型的な症状なのだ。
「世界的に聴覚障害を抱える人の数は増加傾向で、日本でも軽度を含む難聴者は約2000万人ともいわれています。特に60代後半では3人に1人、75歳以上は約7割が難聴に悩んでいるというデータもあります」(医療関係者)
最終ページの表は、難聴のレベルをまとめたものだ。難聴は、聞こえる音の大きさによって程度が分かれており、「中度難聴」以上になると補聴器の装着が推奨される。
「加齢による聴力の低下は40代から始まります。60歳前後で急激に進行しますが、最初は、あまり自覚がない人がほとんどなんです」(前同)
“年だから、多少聞こえなくなるのもしかたがない”と、諦めてしまう人もいるかもしれない。だが――。
「最近は、難聴が認知症の発症要因となることが明らかになっています。軽度で約2倍、重度で約5倍もリスクが増加するとの研究結果もある。年のせいだと放置するのは得策ではありません」(同)
耳から音の情報が入ってこなくなることで、脳の機能が低下。かつ、話が聞き取れないから周囲との交流を避けるようになり、結果、認知症となってしまうのだ。
■治療が非常に難しい
難聴が高齢者の危険因子である一方、実は治療が非常に難しいのだという。『耳は1分でよくなる!薬も手術もいらない奇跡の聴力回復法 新装版』(自由国民社)の著書もある、目と耳の専門整体院『日本リバース』院長・今野清志氏は、こう語る。
「外耳道から鼓膜までの音の増幅器官が低下して起こる“伝音性難聴”は治療がしやすく、また補聴器でも対応できます。でも、鼓膜の奥の内耳から脳につながる部分が機能障害を起こす“感音性難聴”は、治療が困難なため、医師も“年齢のせい”にするしかないのが現状です」(以下発言はすべて今野氏)
加齢性難聴は後者にあたる。各種検査をしても、耳の構造自体には問題がないため、治療ができないと判断されてしまうのだ。
■耳の働きが衰える3つの原因
だが、今野氏は、「難聴は改善できる」と力説する。今野氏が治療のベースとしている「中医学」では、耳の働きが衰える原因として、三つのことが考えられているという。
まずは「血流の悪化」だ。
「血流が悪くなると酸素や栄養が細胞に届きにくくなり、老廃物の処理も滞とどこおります。血流が不足することで、特に栄養が必要な器官の働きが弱まる。その一つが耳というわけですね」
難聴の原因が耳以外にあるとは意外だが、二つめの原因もまさにそう。それは「内臓疾患」だ。
「中医学では、内臓の働きが落ちると耳も悪くなるとされています。実際、研究者の報告でも、糖尿病になると難聴のリスクが3.7倍、腎臓病の場合は5.9倍に高まるというデータもある。内臓の働きが良ければ、耳もよく働くんですよ」
そして三つめは、「自律神経の乱れ」。
「自律神経には、交感神経と副交感神経がありますが、緊張やストレスによって、そのバランスが崩れて、血管を収縮させたり血圧を上昇させたりして、聴力を低下させるというわけです」
体の機能をコントロールする自律神経が異常をきたせば、耳の働きに悪影響を及ぼすのも当然だろう。
今野氏は、この三つを改善することで、聴力回復の施術を行っている。これまで診てきた難聴患者は10万人にも上る。
「つい先日も、静岡から上京した80代の患者さんが“帰り道で駅のアナウンスがよく聞こえて、妻の声も今までより、ずっとクリアです!”と喜んでいました。この患者さんには耳まわりの血流が良くなる施術をしたんですが、血流を良くするだけでも、こんなに早く効果が出るんです」
今野氏によれば、自分でも簡単にできる聴力回復トレーニングがあるという。どれも1分程度でできるので、聴力に不安がある人はもちろん、難聴予備軍の人も、ぜひ試してほしい。
■血行を促すエクササイズ
まずは、耳まわりの血行を促すエクササイズから。
(1)耳さすり 親指を耳の後ろに当て、人差し指で挟むようにしながら、耳全体をさするように動かす。
「これは、耳まわりの毛細血管の流れを良くするためのエクササイズです。そんなに強くやる必要はありません。両耳の裏全体、つけ根、表側全体を優しくさすってください」
(2)耳の穴刺激 耳の穴に指を入れ、上下左右に動かす。
「耳の穴の中には、聴覚を良くするツボがあります。ツボを押すように、指を使うのがポイントです」
(3)耳引っ張り 耳全体を上下左右に軽く引っ張る。
(4)耳塞ぎ 手のひらを耳にギュッとかぶせて耳の穴を塞ぎ、2秒したら離す。耳に負担がかかるので1日2回まで。
(4)以外は、どれも1分程度、行おう。1日の回数にも制限はない。
■毎日の習慣としてマッサージを
どれも簡単なエクササイズだが、実際試してみると耳がポカポカしてくるのが分かり、血行が良くなっているのが実感できるはず。
毎日の習慣として、気がついたら耳マッサージをするように心がけるといいだろう。
■呼吸も大事
さて、次は耳以外のトレーニング。前述の通り、耳の聞こえには、血流と内臓、そして自律神経が大きく関係する。そのすべてに関わってくるのが「呼吸」だ。そのエクセサイズが、これ。
(5)チョッピング呼吸法 鼻から息を吸えるだけ吸って、「フッ、フッ、フッ」と息を止めながら、少しずつ吐き出す。3回1セットで、1日50セットを目標に取り組みたい。
「思いっきり吸って小出しに吐くことで、呼吸筋が鍛えられて、深い呼吸ができるようになる。胃腸が健康になりますし、出っ張ったおなかの引き締めにもなります」
■全身運動で体中の筋肉を整える
次は全身運動で、体中の筋肉を整えたい。
(6)エア縄跳び 文字通り、縄を持たずにする“縄跳び”。縄跳びのように手を動かしながら、1分間(40〜50回)、その場でジャンプする。1日500回飛べれば理想的だが、まずは200回を目標に。
「膝などが悪くてジャンプできない人は、“(7)ももあげ”でもOK。椅子に座りながらでも構いません。片足50回ずつが目安です。筋肉が多い腰から下の筋肉を鍛えることは、耳の健康にも大切なんですよ」
そして最後は、(8)サウンドメディテーション( 瞑想)。
椅子などに座ってリラックスした状態で目を閉じ、自分が、これまで耳にした“心地の良い音”を思い出す。思い出す音は、波の音や小鳥のさえずり、母親の声など何でも大丈夫。この音を最低1分間、思い続ける。“え、こんなので耳の聞こえがよくなるの?” と感じる人もいるだろう。だが、意外にも効果はてきめんなのだという。
「人は、耳に入る音を脳で選別します。ガヤガヤした中でも、友人の声を拾えるのも、このため。“どうせ聞こえない”と思えば、本当に言葉が理解できなくなるし、“どうしても聞きたい”と思えば、脳はフル回転する。このメディテーションは、そんな“聞きたい”という思いを強くするエクササイズなんです」
■食事、健康を心がける
ここまで聴力回復トレーニングを紹介してきたが、何度も触れてきた通り、耳の聞こえは、体全体に関わる問題。日々の生活でも、それを意識することで“難聴予防”が可能となる。
「私は週に何回かは5キロ走っていますし、食事も自然なもの、腸にいいものを食べるように心がけています。耳の健康は体の健康があってこそ。本当に“やったもん勝ち”なんですよ」
今日から始めよう!
【画像】あなたは大丈夫?「難聴度」チェック表