経済アナリスト森永卓郎&ファイナンシャルプランナー長尾義弘が教える!金なし老後を元気に楽しく暮らす「目からウロコの裏技」20【画像】楽しく得するプロ直伝の裏技リスト

日刊大衆

写真はイメージです
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 還暦(60歳)を迎える人へのアンケート(今年3月調査)で、4人に1人が「貯金100万円未満」と回答していたことが、PGF生命の調べで明らかになった。

 物価高、増税で、貯金なしの老後は大ピンチと思いがちだが、希望はあった!

 今回、本誌が教えを乞うた“お金と暮らしのプロ”は、経済アナリストの森永卓郎氏とファイナンシャルプランナーの長尾義弘氏。森永氏は『年収200万円でもたのしく暮らせます』(PHPビジネス新書)、長尾氏は『60歳貯蓄ゼロでも間に合う老後資金のつくり方』(徳間書店)の著書がある。

 彼ら生活の達人に、貯金100万円未満の「金なし老後」を楽しく暮らす裏技を具体的に聞いていこう。

 その極意の第一について、森永氏が解説する。

■ポイントは“トカイナカ”

「収入の範囲内で暮らすこと。老後にやりたくない仕事を続けることほど、ツラいことはありません」

 しかし、厚生労働省が夫婦2人世帯のモデルケースとして挙げる厚生年金の受取額(月額)が21万9593円であるのに対し、総務省統計では夫婦2人の平均的な生活費は月22万4436円。毎月、4843円の赤字になってしまう。

「まずは家賃などの住居費を削ることで、黒字化を目指しましょう。ポイントは“トカイナカ”に住むこと。トカイナカとは、“都会と田舎の中間”を意味する造語です」(前同)

 森永氏は、そのトカイナカである埼玉県所沢市に住んでいる。

「都心に比べて家賃は半分くらい。駅から離れると、家賃6万円で戸建ての家に住むことも可能です。さらに、畑を借りて野菜を栽培し、食費を浮かすこともできるんですよ」(同)

 また、固定資産税などの税額が低い生産緑地が近所にあれば、さらなるメリットが。森永氏が続ける。

■農園が無料で

「貸し農園だと賃料が高い。その点、生産緑地の場合、農地の保全を図るための制度なので、誰かが、そこで農業を営むことが必要。トカイナカで探せば、無料で農地を借りられるはずです」

 これぞ、裏技中の裏技。栽培した野菜は自家消費する他、近所の人たちと物々交換すれば、米や肉、魚もタダで仕入れられる。

「10坪の農地があれば、食費を半分に減らすことも夢ではありません」(同)

■優遇サービスを最大限利用

 また、森永氏はシニア割などの優遇サービスを最大限利用することを推奨する。

 公共交通機関の「シルバーパス」はもとより、スーパーなどの「シニアデー」を活用して安く買い物をし、ファミレスチェーンでは「シニア割」を使い、たまには5%オフで夫婦で外食。

 また、自治体でも積極的にシニア向けの優遇サービスを実施し、無料銭湯券を配布しているところもある。

■スマホは格安SIMを

 さらに、ここから踏み込んで、もう一手。ファイナンシャルプランナーの長尾氏はこう提案する。

「食費などの節約に成功しても、家計がリバウンドしてしまうケースがあります。そこで、思い切って固定費を削減しましょう。固定費で代表的なのが通信費と保険料。面倒なように思えますが、いったん削ると効果は永続します」

 定番だが、固定電話を解約し、携帯電話も四大キャリアから格安SIMに切り替えるのは効果的だ。60歳以上限定で「かけ放題(1回5分まで)」を月額980円で提供している会社もある。

■生命保険を解約

 保険も、子どもたちが独立して夫婦2人暮らしなら、大きな死亡保障は不要。

 また、共働き世帯で「自分の死後、妻も年金だけで生活できる」というケースなら、大きな死亡保障がついた定期特約だけでなく、終身保険もやめたい。つまり、生命保険そのものを解約し、返戻金を貯金に回そう。

「そもそも、後期高齢者になると医療費の負担が少なくなります(所得により異なる)、また、高額療養費制度があるので、自己負担は少ないと言えます。ですので、医療保険も必要ないでしょう」(前同)

 生活費を切り詰める、せちがらい話はここまでにし、続いては生涯現役、死ぬまでビンビンで行きたい読者諸兄に向けて、「楽しく稼ぎ、お得に使う」方法を紹介しよう。

■『ココナラ』で生きる人生経験

 まずは、経験などを売り買いするネットのスキルマーケット『ココナラ』を活用する方法だ。

「特にスキルがないという人でも、人生経験は豊富なはず。それを生かし、人生相談で登録する手もあります。悩みを聞いてほしいという若い女性は大勢いるので、意外に繁盛するかもしれませんよ」(『ココナラ』に登録する63歳男性)

 さらに最近は空前の人手不足で、シニア層の求人も花盛り。時間や曜日などを選べるから、「暇を持て余しているときだけ働く」というスタイルも可能だ。

■覆面調査するミステリーショッパー

「店員さんたちの接客態度を覆面調査する、ミステリーショッパーという仕事についたことがありますが、ちょっとした緊張感があり、なかなか楽しかったですよ」(前同)

 こうして稼げば、現役時代と同じように「飲む」「打つ」「買う」も思いのまま。

「打つ」は最終ページの表を参考にしてもらうとして、まずは「飲む」について。安く楽しく飲むために、先人の知恵を拝借しよう。

■明るいうちから飲む!

「酒屋の一角を仕切った飲食スペースで飲む角打ちや、居酒屋チェーンでの夕方のハッピーアワーが狙い目です。生ビール半額なんて、当たり前。明るいうちから飲めるのは、シニアの特権だよ」(71歳男性)

 家飲みの場合も、“酔いコスパ”重視。つまり、できるだけ効率よく酔いたい。となれば、アルコール度数が決め手となる。

「数年前から、メーカーも“酔いコスパ”を重視し、高アルコール飲料が相次いで発売されました。人気のストロング系チューハイの中には度数12%のものもあり、国立精神・神経医療研究センターが500ミリリットル缶3本飲むと、自分を見失うほど酔う、と警鐘を鳴らしたほど。量は、ほどほどにお願いします」(酒類販売会社営業マン)

■葬式やお墓を…再就職も

 また、多くのシニアが年齢を重ねるにつれ、気になるのが“お別れの仕方”。特に葬式代は全国平均が121万円といわれるから、安心して、あの世に旅立てないと思う人もいるだろう。

「お通夜なしの一日葬なら30万円。もっとシンプルにすると10万円でもできます。お墓も、合同墓なら永代供養料が10万円からあります」(葬儀アドバイザー)

 残り50万円は、いざというときの備え。また、それだけあれば、「買う」もクリア。もっと、自由に使えるお金が欲しいという人には、勤め上げた会社に再就職するのがオススメだ。

■定年後に幸福度を高める秘訣

 とはいえ、森永氏が前述したように、イヤイヤ働くのは言語道断だ。ヒントになるのが、長尾氏が指摘する定年後の幸福度を高めるための“4つの捨てる”だ。

「(1)お金の心配を捨てる、(2)“家族のため”“会社のため”を捨てる、(3)肩書を捨てる、(4)人間関係を捨てる、です。『リクルートワークス研究所』の調査では、60歳以上の年代で仕事の幸福度が増していることが分かっています。おそらく、4つのものを捨てられているからでしょう」(前出の長尾氏)

 すべては自分のため老後だからこそ、人生を謳歌しようではありませんか。

【画像】まだまだある!楽しく得するプロ直伝の裏技

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